むつごろう

むつごろう

むつごろうはスズキ目ハゼ科属する魚です。大きなものでも20cm程度にしかなりません。
ハゼに似ている魚ですが、こちらは干潟に生息します。
地方名(方言)では「むつ」とか「むっとう」と呼ばれます。

むつごろうが生息する干潟は日本では主に「有明海」「八代海」です。
有明海は九州西部にある海で、福岡・長崎・佐賀・熊本に面する九州最大の湾です。
八代海は九州本土と天草諸島に囲まれた内海です。

干潟とは

干潟とは泥や砂で形成された広い湿地帯で、干潮時は海水が引いて地面が現われるような地形のことです。
河口域や内湾の奥にあります。
最近の傾向は干拓や埋め立てで干潟は減少してます。
そのため、保護運動が高まり、湿地の保存に関する国際条約である「ラムサール条約」に登録されている「谷津湿地(千葉県)」や「漫湖干潟(沖縄県)」等は恒久的に保全がされるようになったそうです。

有明海に生息する他の魚

日本最大の干潟である有明海にはむつごろうの他にも、干潟で生活する魚がいます。
食用になっているものを一部紹介します。

  • わらすぼ・・・目が退化しており顔はエイリアンのような長細い魚。全長40cm位にはなります。
  • はぜくち・・・ハゼの仲間で大型。最大60cmにはなるそうです。
  • アリアケシラウオ・・・無色透明の体。最大でも12・3cm。
  • ナメクジウオ・・・かつては食用とされた生きた化石。脊椎動物の祖先らしい。
  • エツ・・・ニシン目カタクチイワシ科に分類される魚。全長は40cm程。
  • ヒラ・・・ニシン目ニシン科の魚のためニシンに似ている。大きなものは70cm程。
  • 有明海産スズキ・・・体に黒い斑点があるスズキ。
  • コイチ・・・ニベに似ている魚。50cm程になる。
  • ヤマノカミ・・・カジカに似ている。全長15cm程になる。中国では食用になる。

むつごろうの漁

「むつかけ漁」と言われる引っ掛け漁。漁期は4~8月。
竹ざお(5m程度)にピアノ線のみちいとを付け、先端に大きな掛け針を付けたもので引っ掛ける。

干潟の上を移動できる「潟スキー(はね板)」と呼ばれる器具を使って行う。
熟練の技が必要な伝統的な漁です。
漫画「釣りキチ三平」で取り上げられたことがあります。

道の駅「鹿島(佐賀県鹿島市大字音成甲4427-6)」ではむつかけ漁が体験できます。

むつごろうの食べ方・料理

蒲焼は郷土料理です。
佃煮や刺身(活け作り)、どんぶり等もおいしくいただけます。
生きていいるうちに料理しないと味が落ちます。

むつごろうの旬と保存方法

旬は晩春から初夏の梅雨の頃です。この時期は脂がのります。
新鮮なうちに食べないと味が落ちるため、保存するには活かしておくようにしましょう。

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