毎年真鯛ののっこみ(産卵期)が始まると何回か船釣りに出かけます。
前回はのっこみ最盛期とまではいかなかったのですが、なんとかそこそこのサイズを釣ることができました。
この日も午前船でそこそこの釣果があったのということで、急遽支度をととのえて真鯛釣りに出かけてみました。
釣り場は駿河湾の奥。
沼津や静浦、重寺、古宇、久料といった港から遊漁船が何隻か出ています。
駿河湾の船つりは午前と午後、そして夕方から深夜、深夜から朝方までと季節と釣り物によって4回釣り船が出船します。
真鯛釣りはそのうちの午前と午後の2回です。
この時期の午後の釣り始めは13時半。そして終了が18時半で、釣りをしていられる時間は5時間となります。
この海域というのは、湾の奥になるためか外海に比べると潮の速さが緩やかなのが特徴です。
そのため、魚が居る棚にある程度正確に餌を届けなければ釣ることができません。
もちろんこませで魚を底から浮かせるというのも大切なのですが、魚が食ってくる棚を見つけるのはもっと大切なことなのです。
そのためには針の重さを変えたり、時にはガン玉やオモリを付けるということも有効です。そして船長の指示棚の上下をゆっくり探り、棚付近で誘いを入れるという作業も必要になってきます。
遊漁船の装備
遊漁船には魚が居る所を見つける装置と、魚が泳いでいる深さ(棚)を見つける装置が付いています。
上の写真は船の周りのどの付近に居るのかが判断できる「ソナー」という装置です。
丸い円の真ん中が船の位置となり、映し出してる半径がこの時は40mに設定されています。
この円の中に生体反応がでることによって魚の群れがどの位置にいるのかが判断できます。
これは魚群探知機というもので、生体反応でるところが魚が泳いでいる層、棚ということになります。
つまり、ソナーで船の周りのどこに魚がいるのかが分かり、そしてその位置のどの水深を泳いでいるかということが分かることで、かなり正確に海の中の魚の位置が判断できるようになっているのです。
ただ、いくら真鯛が居る付近に餌がいったとしても100%釣れるとは限りません。基本的に魚自体にに食い気が無ければ釣れないのです。
時にはすぐ釣れますが、ほとんどの場合真鯛に食い気がでるまで待たなければなりません。
それか、上記でも書いたように、棚付近で付け餌をゆっくり動かす「誘い」という動作を行い、魚の食い気を促すということになります。
釣り人の装備
今では釣具メーカーが、遊漁船でも使える簡易的な魚群探知機を発売しています。
上の写真はシマノというメーカーが発売している「探見丸」という魚群探知機で、幾つかアイテムがあります。
これを使うことで、魚の反応が出た水深まで針が付いた餌をある程度正確に届けることができます。しかしあまりに船長の指示棚とかけ離れている場合は注意が必要です。
それは、自分が判断している反応が全て真鯛であるとは限らないからです。魚の反応は真鯛以外にも出ますから、指示棚とかけはなれた深さまで仕掛けを落とすと、魚を浮かすことができませんし、散らしてしまうことも考えられます。
そのため、画面に出た反応がどんな魚の反応なのか、ある程度は判断できるようになる必要があるでしょう。
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餌とり対策
棚を合わせること、棚で誘いを入れる動作をすること、こませをぱらぱら出すこと、これ以外で最も重要なことは針に餌が付いているかです。
当たり前のことですが、真鯛釣りでなくても針に餌が付いていなければ魚は食いついてきません。真鯛釣りの場合は「オキアミ」が餌になります。
このオキアミが海中で針に付いているかを判断するには、仕掛け投入後に早めに仕掛けを何回か上げて見て餌が持っているか確認するしかありません。
餌が無くなっていたとしたら、針にもかからないような小魚が餌を取ってしまったことになります。そんな仕掛けを何時までも海の中に放置しておいても無駄な時間が増えるだけです。
早めに邪魔な餌取りがいるかどうかを判断するのはとても重要なことです。その結果餌取りが居る事が確認できたら、こませを振る位置や量を変えたり、餌のつけ方や量を変える等ということをしてみて、餌が取られない方法を見つける必要があります。
付け餌やこませワークでは餌取りをかわすことができないときがあります。そんなときば、思いきってこませを詰めないで投入するとか、こませカゴの放出口に餌が付いた針を埋め込んで投入し、棚に着いてしばらくしてから放出するという手もあります。とにかく餌取りが多いときはいろんなことを試みる必要があります。
ミズナギドリ(水薙鳥)との格闘
初夏から夏にかけてミズナギドリ(水薙鳥)という渡り鳥がやってきます。
灰色っぽく、むくむくした羽の比較的かわいい鳥なのですが、けっこう始末に悪い鳥なのです。
釣り人がいる船の側まできて、海面や海中のこぼれたオキアミを潜って食べます。・・・どうやらオキアミが大好物のようです。
海に潜る深さも恐らく10~15m位で、時には投入した餌を追ってけっこうな深さまでついていきます。
その結果、針にかかってしまうのです。
磯釣りではカモメもときどき針にかかることはあるのですが、カモメは針を外してやろうと引き寄せてくると、ギャーギャーと大声で鳴きながら大暴れして噛み付いてきます。しかしこの鳥は比較的すんなり寄せることができます。
ただ、カモメは針を外すと仲間ごと逃げていくのですが、ミズナギドリのほうは逃げません。又懲りずに掛かってくることがあります。・・・結構しつこい、餌取りならぬ「餌鳥」です。
この後船の中に引き上げ、針を外して海に帰しましたがしばらくの間、何羽かの仲間とともに船の周りで釣り人のオキアミを追いかけていました。
まだ群れが少ないため、他の釣り人の針には掛かりませんでしたが、群れが多きいときはこの鳥を交わすのも一苦労です。
何しろかなり船の近くまでやってきますし、海中に投入した餌を追いかけて行きますから完璧な防御策はありません。被害にあわないためにはとにかく出きるだけ鳥が離れているときに素早く仕掛けを投入するしかないと思います。
夕方の地合い
釣りでいうところの「地合い」とは、魚が釣れそうな時間帯のこと。
通常は「上げ3分」「下げ7分」という、潮の満ち引きが影響するのですが、「夕まずめ」と「朝まずめ」と呼ばれる早朝と夕方も魚の食いは良くなります。
この時間帯は、植物性プランクトンに動物性プランクトンが活発に反応しそれを食べる魚の活性が上がるのだと言う説があります。
この日も夕まずめの4時半以降に地合いがやってきました。
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