かじか

かじか

かじかはカサゴ目カジカ科に属する魚です。見た目はハゼと似ています。
北海道南部以南の各地に生息しています。
地域よっては「ゴリ」とか「ドンコ」と呼ばれます。
石と石の間とか岩の隙間に潜み、水生昆虫や小魚等を捕食しています。
何種類かのかじかがおり、大きなものは25cm位にはなります。

かじかの生態

淡水で一生過ごすものと、稚魚の時期のみ海で過ごすものに分けられます。

  • 大卵型・・・河川の上流に生息する。水生昆虫を餌にしている。
  • 少卵型・・・河川の中流から下流、稚魚のときは海水で過ごす。

かじかの漁と釣り方

各地で様々な伝統的な漁が行われています。

  • 板落とし漁・・・専用の道具で上流から水底を掘り返しながら下流の網に追い込む。
  • がらびき漁・・・「板落とし漁」と似ている。さざえの殻を付けた荒縄を舟で引き、かじかを下流に網に追い込む。
  • つき漁・・・箱めがねで海底をのぞき、ヤス(モリ)でかじかを突くという方法。
  • 筌(うけ)・・・筌(うけ)と呼ばれる竹製の籠を水底に仕掛ける。その仕掛けに上流に向かうかじかが入るように石や板で導く。

釣り方は餌釣りが一般的です。
いくらや水生昆虫、ミミズ等を使い底付近を釣ります。

かじかの食べ方と料理

カジカ汁、佃煮、から揚げ、天ぷら、姿焼き(串焼き)、等で利用されます。
石川県金沢市の「ゴリ料理」、北海道の「かじか汁」は郷土料理です。

かじかに含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

 かじか・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛
 Kcal(カロリー)  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
 111  15,0  5,0  0,2 110  260  520  400   2,8   1,7
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 180  0,07  0,38  15  1  220  0  0,3

栄養成分の詳細
かじかに多く含まれる栄養成分。

 

 

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かじかの効能

鉄が比較的多く含まれています。鉄は肺から取り込んだ酸素を全身の組織に供給する役割を持ちます。
カルシウムも多いですが、これは骨や歯を丈夫にします。
ビタミンAは「目のビタミン」ともいわれ、目に必要不可欠なロドブシンという物質を作るのに重要な働きをしています。

かじかの旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・秋から冬
  • 理想的な保存方法・・・甘露煮
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・冷凍では長期保存が可能

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どじょう

どじょう

どじょうはコイ目ドジョウ科に属する淡水魚です。どじょうと言えば通常「まどじょう」を指します。
淡水魚とは塩分濃度の低い真水に生息する魚のことです。
全国の平野部にある水田や沼、小川、用水路・湿地等に生息するのですが、近年では農薬の影響で昔に比べれば減少しています。

大きなものでも20cm位にしかなりません。
口の周りにひげが10本生えているのが特徴です。

どじょうの種類

どじょうには幾つかの種類が存在します。

  • まどじょう・・・日本全国に生息しますが数は減少している・ぬめりがある。
  • ほとけどじょう・・・最大でも8cm・本州の琵琶湖以北に生息。
  • しまどじょう・・・最大でも10cm・本州と四国に生息(一部地域はいない)・黒い斑点が縞のようにある・ぬめりは少ない・ひげは6本。

どじょうの漁と釣り方・獲り方

水路の下流に網を仕掛け、音を出しながらどじょうを追い込むという「追い込み漁」。長良川等では「のぼり落とし」と呼ばれる漁罠で捕らえたようです。

獲り方は「洞(ど)」と呼ばれる竹製の仕掛けに、餌となる米ぬかだんごやみみずを入れて川に沈めて入るのを待ちます。ペットボトルも応用できます。
アカムシやミミズを小さく切って小さな針(袖針の1・2号等)に付ければ浮き釣りもできます。

どじょうの食べ方・料理

柳川鍋が有名です。
他は、甘露煮、から揚げ、味噌汁、天ぷら、等があります。

どじょうに含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

 どじょう・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛
 Kcal(カロリー)  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
 79  16,1  1,2  微量  96  290  1100 690   5,6   2,9
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 15  0,09  1,09  16  1  210  0  0,2

栄養成分の詳細
どじょうに多く含まれる栄養成分。

 

 

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どじょうの効能

カルシウムが非常に多く含まれています。
カルシウムは骨や歯を丈夫にする働きがあります。
滋養強壮効果も期待できます。

どじょうの旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・初夏・夏
  • 理想的な保存方法・・・できるだけ綺麗な真水で生かすようにする(泥をはかす効果もある)
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・死んでしまうと味が落ちるので保存には向かない

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うぐい

うぐい

うぐいはコイ目コイ科ウグイ亜目に分類される魚です。
大まかな見方をするとワカサギを大きくしたような形で、大きなものは50cmを超えます。
腹部は銀白色をしていますが繁殖期になると赤い側線が3本出てきます。
日本では沖縄を除く全国で見ることができます。
通常は河川の上流部から下流部に広く生息しますが、汽水域でも見ることができます。
汽水域や内湾に生息し、産卵時に河川を遡上するものは「マルタ」とか「マルタウグイ」と呼ばれます。これはウグイの近縁種に当たります。

うぐいの地方名

「ハヤ」と呼ぶ地方が多くあります。「ヤマコ」「アカハラ」とも呼ばれます。

分布の広さからアイソ、アカハラ、クキ、タロ、ニガッパヤ、イダ、ヒヤレなど各地の独特な名前が付けられている。

引用元:wikipedia.

うぐいの漁と釣り方

各地で様々な漁獲法があります。
投網で獲る「投網漁」「せつき漁」、竹で編んだ漁具を利用する「うぐい突き漁」、「つけ場漁」等があります。

うぐいは雑食ですから様々な釣り方ができます。
例えば、毛ばりを使う「テンカラ」「フライ」、みみずや魚肉ソーセージ、川虫、蜂の子、サシ、等の餌を使う「浮き釣り」「ミャク釣り」、たくさんの針が付いている仕掛けで引っ掛ける「コロガシ釣り」、練り餌を使う「ぶっこみ釣り」、ルアーでも釣れることがあります。

うぐいの食べ方・料理

小骨が多く泥臭さが残るためおいしいとは言えません。
一部地域では、甘露煮や塩焼き、燻製、煮付け、天ぷら等で食されています。

滋賀県では特産物の「フナ寿司」を作る際、うぐいを代用として使うこともあるそうです。

うぐいに含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

 うぐい・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛
 Kcal(カロリー)  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
 100  20,1  1,5  0,2  83  340  69  240   0,7   3,4
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 41  0,03  0,11  8  微量  93  0  0,2

栄養成分の詳細
うぐいに多く含まれる栄養成分。

 

 

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うぐいの効能

亜鉛が比較的多く含まれています。
亜鉛は100種類以上の酵素に含まれる必須元素で、タンパク質や遺伝情報物質DNAの合成や、糖質、脂質の代謝、インスリンの合成、免疫反応などに関与しています。
又、最近の研究では脳機能を活性化させ、学習能力の向上に効果があると言われます。

うぐいの旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・「桜うぐい」と呼ばれ食されるのは4月から5月中旬
  • 理想的な保存方法・・・下処理をして冷蔵庫へ
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・冷凍では長期保存が可能

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むつごろう

むつごろう

むつごろうはスズキ目ハゼ科属する魚です。大きなものでも20cm程度にしかなりません。
ハゼに似ている魚ですが、こちらは干潟に生息します。
地方名(方言)では「むつ」とか「むっとう」と呼ばれます。

むつごろうが生息する干潟は日本では主に「有明海」「八代海」です。
有明海は九州西部にある海で、福岡・長崎・佐賀・熊本に面する九州最大の湾です。
八代海は九州本土と天草諸島に囲まれた内海です。

干潟とは

干潟とは泥や砂で形成された広い湿地帯で、干潮時は海水が引いて地面が現われるような地形のことです。
河口域や内湾の奥にあります。
最近の傾向は干拓や埋め立てで干潟は減少してます。
そのため、保護運動が高まり、湿地の保存に関する国際条約である「ラムサール条約」に登録されている「谷津湿地(千葉県)」や「漫湖干潟(沖縄県)」等は恒久的に保全がされるようになったそうです。

有明海に生息する他の魚

日本最大の干潟である有明海にはむつごろうの他にも、干潟で生活する魚がいます。
食用になっているものを一部紹介します。

  • わらすぼ・・・目が退化しており顔はエイリアンのような長細い魚。全長40cm位にはなります。
  • はぜくち・・・ハゼの仲間で大型。最大60cmにはなるそうです。
  • アリアケシラウオ・・・無色透明の体。最大でも12・3cm。
  • ナメクジウオ・・・かつては食用とされた生きた化石。脊椎動物の祖先らしい。
  • エツ・・・ニシン目カタクチイワシ科に分類される魚。全長は40cm程。
  • ヒラ・・・ニシン目ニシン科の魚のためニシンに似ている。大きなものは70cm程。
  • 有明海産スズキ・・・体に黒い斑点があるスズキ。
  • コイチ・・・ニベに似ている魚。50cm程になる。
  • ヤマノカミ・・・カジカに似ている。全長15cm程になる。中国では食用になる。

むつごろうの漁

「むつかけ漁」と言われる引っ掛け漁。漁期は4~8月。
竹ざお(5m程度)にピアノ線のみちいとを付け、先端に大きな掛け針を付けたもので引っ掛ける。

干潟の上を移動できる「潟スキー(はね板)」と呼ばれる器具を使って行う。
熟練の技が必要な伝統的な漁です。
漫画「釣りキチ三平」で取り上げられたことがあります。

道の駅「鹿島(佐賀県鹿島市大字音成甲4427-6)」ではむつかけ漁が体験できます。

むつごろうの食べ方・料理

蒲焼は郷土料理です。
佃煮や刺身(活け作り)、どんぶり等もおいしくいただけます。
生きていいるうちに料理しないと味が落ちます。

むつごろうの旬と保存方法

旬は晩春から初夏の梅雨の頃です。この時期は脂がのります。
新鮮なうちに食べないと味が落ちるため、保存するには活かしておくようにしましょう。

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ほっけ

ほっけ開き

ほっけはカサゴ目アイナメ科ホッケ亜目に属する魚です。
大きなものでも5・60cm程にしかなりません。
北海道近海、オホーツク海といった 北の海に生息している魚ですが、南は静岡でも確認されています。
通常売られているものは「マホッケ」です。

出世魚

「シマホッケ」という種類もいますがこちらは水深の深いところに生息しています。 そのためか脂がのっています。
北海道では成長とともに呼び名が変わる出世魚で、「アオボッケ(4~16cm)」→「ロウソクボッケ(18~22cm)」→「ハルボッケ(23~28cm)」→「ネボッケ(回遊をやめたもの)」と変わります。

ほっけの食べ方と料理

良く見られるのは干物です。塩焼きやバター焼き、蒲焼、煮つけ、フライも好まれます。
鮮度が良いものであれば刺身でいただけます。

ほっけの漁と釣り方

底建網、定置網、刺し網、巻き網、鮮魚向けは一本釣りで漁獲される。
ちなみに、刺身で食べられるほどの鮮度があるものは「バキバキ」と呼ばれます。

釣り方は「浮き釣り」「投げ釣り」「ルアー釣り」「さびき釣り」です。
餌とコマセはオキアミです。 

ほっけに含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

 ほっけ・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛
 Kcal(カロリー)  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
 115  17,3  4,4  0,1  81  360  22  220   0,4   1,1
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 25  0,09  0,17  9  1  73  0  0,2

栄養成分の詳細
ほっけに多く含まれる栄養成分。

 

 

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ほっけの効能

カルシウム・ビタミンA・B1・Dが比較的多く含まれます。
骨粗しょう症、生活習慣病の予防、眼精疲労等の予防に有効です。

ほっけの旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・通常は秋と言われるが、脂がのっているのは春
  • 理想的な保存方法・・・冷凍か開き
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・長期保存が可能

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なまず

なまず

なまずはナマズ目ナマズ科に属する「硬骨魚類」です。
硬骨魚類とは 、骨格の大部分が「硬骨」とよばれる硬い骨でできている魚です。
因みに、「軟骨魚類」とはサメやエイのように骨格が全て軟骨でできている魚をいいます。

東南アジア一帯の湖沼や河川といった淡水に生息していますが、日本でも北海道、沖縄諸島以外ほとんどどこでも見られます。
日本には他に「ビワコオオナマズ」「イワトコナマズ」の2種がいます。

なまずの食べ方と料理

刺身、天ぷら、蒲焼、煮付け等ほとんどの料理で合います。
イワトコナマズが泥臭さがなく最も美味、その一方でビワコオオナマズは臭みがあるため食用では利用されないそうです。
イワトコナマズは琵琶湖と琵琶湖から流れる「瀬戸川」の一部に生息しているようです。

泥抜きをしてから料理するのが一般的です。

なまずの漁と釣り方

延縄漁が一般的です。

活餌を付けた餌釣り、練り餌を使った餌釣りで狙えます。
ルアーでも狙えます。ルアーはバス用のものでよく、特に派手な音が出る「イノジー系」のトップウオーターが多用されます。 

なまずに含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

なまず・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛 
 Kcal(カロリー)  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
 159  18,4  8,6  微量  46  320  18  170   0,4   0,6
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 71  0,33  0,10  10  0  73  0  0,1

栄養成分の詳細
なまずに多く含まれる栄養成分。

 

 

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なまずの効能

ビタミンA・B1・B2が多く含まれています。
眼精疲労や肌荒れの予防、成長の促進等が期待できます。

なまずの旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・秋・冬
  • 理想的な保存方法・・・下処理後下ろして冷蔵庫へ
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・生は冷蔵庫で2~3日程度

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むつ

むつ

むつはスズキ目ムツ科の肉食魚です。大きなものは1mを超えます。
深海魚に入る魚で、成魚になると水深700m位(産卵期は100m位)まで生息しています。
比較的温暖な海に生息しており、日本では北海道以南で見られます。
目と口が大きく歯が発達しています。体は流線型ですが成魚になると黒い色をしています。そのため「クロムツ」と間違われることがあります。

むつの地方名

 ギンムツとも呼ばれます。
又、地方により下記のような呼ばれ方をしています。

ロクノウオ(仙台)、ムツメ(神奈川)、オキムツ、カラズ(富山)、モツ(高知)、クジラトオシ(福岡)、メバリ(長崎)、ムツゴロウ(鹿児島)、クルマチ(沖縄)、アカムツ(幼魚)、キンムツ、ギンムツ、ツノクチなど、地方名は数多い。

引用元:wikipedia.

 むつに似ている魚

むつが名前に付く魚はけっこうありますが、むつとは分類が違います。

  • あかむつ・・・スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科に属します。ノドの奥が黒いため「ノドグロ」とも呼ばれます。
  • ばらむつ・・・クロタチカマス科の深海魚です。食品衛生法では販売禁止になっています。
  • あぶらそこむつ・・・クロタチカマス科の深海魚。ばらむつ同様に販売はできません。
  • かわむつ・・・こい科の淡水魚です。

むつの漁と釣り方

底引き網や餌釣りで漁獲されます。

レジャーでの釣り方は、幼魚は夜釣りで身餌を付けて狙います。
成魚になると深海に棲みますから、専用のリールと竿、20本針程度の胴付き仕掛けに2k位のオモリとイカや魚の切り身といった身餌を付けて船から狙います。 

むつの食べ方と料理

青物とは違う甘味がある脂がのってる魚です。
刺身や鍋料理、煮付けがおすすめです。粕漬けや味噌付けといった料理もおいしくいただけます。
卵巣は「ムツゴ」といい珍重されるそうです。 

むつに含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

 むつ・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛
  Kcal(カロリー)  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
 189  16,7  12,6   微量  85  390  25  180   0,5   0,4
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 8  0,03  0,16  6  微量  59  0  0,2

栄養成分の詳細
むつに多く含まれる栄養成分。

 

 

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むつの効能

カリウム、リンといったミネラルが比較的多く含まれています。
カリウムは ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、尿への排泄を促す働きがあることから、血圧を下げる作用があるとされ、高血圧を予防する効果があると考えられています。

むつの旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・冬(通年脂がありおいしい)
  • 理想的な保存方法・・・下処理をしてラップで冷蔵庫へ
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・生では2~3日

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あこう(きじはた)

あこう

あこうは地方名で正式名称は「キジハタ」になります。
スズキ目スズキ亜目・ハタ科・ハタ亜目に分類される海水魚です。肉食魚で小魚を主に餌にしています。
本州の最北端位から台湾位まで、比較的温暖な海域に生息します。ハタの仲間では大型ではなく、大きなものでも5・60cm位にしかなりません。 

性転換

性転換を行う魚がいますが、このキジハタも「雌性先熟(しせいせんじゅく)」の 性転換を行います。これは雌として育ち繁殖するときに雄になることです。
性転換する魚は300種以上いるといわれ、主に熱帯サンゴ礁に生息するべラやクマノミ、キュウセン等が知られています。
身近なものでは真鯛です。真鯛もほぼ半数のものが雌性先熟の性転換を行います。クロダイやヘダイも性転換しますが、これらは雄から雌になる「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」です。

きじはたに似ている魚

「オオモンハタ」という魚がいます。キジハタとほとんど見分けが付きません。
見た目の大きな違いはキジハタのほうが全体的に赤みがあり、尾びれが丸くなっています。

又、オオモンハタに酷似している種類もいます。「ホウセキハタ」と呼ばれるもので、ほとんど見分けは付かないのですが「ホウセキハタ」のほうが尾びれが黒くなっています。
いずれも食べてみるとほとんど味は見分けがつきませんから、市場では混じっていることがあります。

きじはたの地方名

関西では「アコウ」とか「アコ」で呼ばれるのが一般的です。
アコウダイという魚がいますが、キジハタとは別の種類で関東ではこれを「アコウ」と呼びます。
他には下記のような呼び方があります。

 主に関西、瀬戸内海ではアコウ・アコ(赤魚、茂魚)、山陰でアカミズ(赤水)、長崎県・福岡県等でアカアラ(赤荒)、愛知でアズキマス(小豆鱒)と呼ばれる。
引用元: wikipedia.

 きじはたの食べ方・料理

ハタの仲間は総じて肉質が美味です。そして高級魚です。キジハタは関西では1キロあたり5000円もすることがあるそうです。
刺身(お造り)や寿司ネタ、煮つけ、鍋料理、焼き物、汁物、蒸し物やあんかけ料理、等どんな料理でもおいしくいただけます。
関西では特に珍重され、刺身(薄作り)がおすすめです。

きじはたの漁と釣り方

刺し網や定置網で漁獲されます。

釣り方は胴付き仕掛けに身餌を付けて底を探ります。餌はカタクチイワシや小アジ、シラサエビが一般的です。主に日本海(若狭湾・等)から遊漁船が出ています。
ルアー(メタルジグ・ソフトルアー)でも狙うことができます。
堤防などの陸からも夜釣りで釣れますが 型は大きくありません。

きじはたの旬と保存方法

旬は春から夏ですが周年おいしくいただけます。
鮮度が良いものがおいしいのでできるだけ保存はしないほうが良いでしょう。
特に死後硬直していない「活け」の状態のものは珍重されます。

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くえ

くえ

くえはスズキ目ハタ科に属する海水魚です。
大きなものでは50k位になる 肉食魚で、水深15m~100m位の岩礁帯やサンゴ礁に生息します。
本州の中部以南から東シナ海、南シナ海位まで確認されています。

ハタ科の魚は巨大なものが多く、「マハタ」の老成魚は大きなものは「カンナギ」と呼ばれます。
以前、テレビ大阪の人気釣り番組「ザ・フィッシング」で、神津島の重郎平丸から釣り上げられたカンナギは100kを超えていました。

くえに似ている魚

似ている魚に「イシナギ」という魚がいます。
これもスズキ目ですがスズキ科に属します。大きなものは50k位は有に超えます。
通常イシナギと呼ばれる魚は「オオクチイシナギ」で、日本近海のほぼ全域の水深150~500m位に生息しています。
ただこの魚は肉は美味ですが、肝臓にビタミンAが過剰に含まれているため中毒を起こす恐れがあるとされ、食品衛生法では食用禁止となっています。

「アブラボウズ」という魚がいます。
肉食の大型魚ですがこれはカサゴ目ギンダラ科に属します。イシナギより深海に生息しており、名前の通り脂肪分が多い魚です。
クエに外観も似ており、身も脂がのった白身のため美味であることから、クエに偽装されたことがあります。
ただし、脂分が多いため食べ過ぎると腹をこわし下痢を起こすこともありますから注意が必要です。

食品生成法で食用禁止となっている他の魚

イシナギの他には「バラムツ」「アブラソコムツ」「ドクカマス」があります。
バラムツ・アブラソコムツは駿河湾等に生息する深海魚で、体内の脂成分が「ワックスエステル」と言われる「蝋(ろう)」でできています。
そのため、消化吸収されない脂分が肛門から漏れたり、下痢や腹痛を起こすことがあります。大量に摂取すると昏睡状態に陥った例もあるそうです。

ドクカマスは「シガテラ毒」と呼ばれる神経麻痺等を引き起こす毒成分が含まれます。
主に熱帯や亜熱帯に生息する一部の魚に含まれています。イシガキダイによるシガテラ毒中毒は本州・中部でも確認されています。

尚、シガテラ毒に関する記事は「ハマフエフキ」のページをご覧ください。

くえの別名・地方名

九州では「アラ」、関東近辺では「もろこ」と呼ばれます。
アラもモロコも他に正式名称を持つ魚がいますが、これらとは別の種類です。

他には、愛知で「マス」三重で「クエマス」四国では「アオナ」とも呼ばれています。

くえの食べ方と料理

非常に高級魚です。特に天然物は市場で高値が付きます。
最近は静岡県御前崎市で完全養殖が行われ、特産品として売り出しています。

刺身や鍋(クエ鍋・アラ鍋)が一般的です。見た目とは違い上品な甘味がある魚です。
特に九州では大相撲の九州場所が開催されるとちゃんこ鍋の具材として人気があります。
他の食べ方は、ステーキ、から揚げ、カルパッチョ、ムニエル、中華あんかけ、等、癖がない淡白は白身ですからほとんどの魚料理に合います。
又、内臓も食べられます。

くえの旬と保存方法

通年おいしい魚です。脂がのるのは冬ですから、旬は冬になります。
保存するには下処理をしてラップで冷蔵庫が一般的です。ある程度の大きさの切り身にするほうがいいでいしょう。
中型、大型は 2・3日寝かし熟成させたほうがおいしくいただけます。

くえの産地

関東・東海や伊豆諸島、九州各地でも漁獲されますが、産地となると高知や和歌山が知られています。
養殖では静岡県の御前崎 や和歌山県の白浜です。

くえの漁と釣り方

延縄漁が一般的です。一部地域では一本釣り(夜釣り)も行われています。

釣りの対象魚としては人気が高い魚です。
船から狙う場合と磯から狙う場合がありますが、どちらも魚やイカをそのまま 針に付け海底の岩礁帯周りを探ります。
活餌がいいのですが死んだ餌でもかまいません。 餌にするのはサバやムロアジ、ソーダカツオ、カツオ、メジマグロ、イサキ、アカイカ、スルメイカ、ヤリイカ等です。
船釣り仕掛けは200~300号のオモリと一本針といったシンプルな 胴付き仕掛けですが、竿とリールから糸・針に至るまで強力な物を使用します。
初めの当たりは強力で餌をくわえたらいっきに岩礁帯の住み家に潜ろうとします。一度岩礁帯(根)に潜られたら引き出すことはほぼ不可能です。この引きに耐えられない竿は折れますし、リールに耐性が求められます。ドラグが締まらないものは巻き上げられません。糸は切られてしまいます。
ですから、折れない竿と針、強力なリール、切れない糸とその結び方が重要なのです。

磯から釣るほうが大変です。
もちろん竿から仕掛けは磯大物用や専用の物を使います。
それに加え竿を固定する ピトンや竿立ても強力な物を使用しなければ海に引きずりこまれます。
又、釣りなのにヘルメットを着用します。これは根がかり(岩礁帯に仕掛けがひっかかること)をはずすときオモリによる事故を防止するためや、魚とのせめぎあいで勢い余って転倒したときの事故防止です。
ちなみに、磯から釣れるくえは一人の釣り人が3~5年に一度位釣れればよい、という程確立は少ない釣りです。
それでも中には夜釣りと昼釣りの通しで昼夜一匹づつ釣れるというラッキーな人もいないことはありません。 

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ハマフエフキ

ふえふきだい

フエフキダイ科の魚はスズキ目スズキ亜目に所属する海水魚で、5属39種が確認されています。その一部は下記のようになります。
ハマ フエフキは「フエフキ属」に属します。

  • コケノコギリ属・・・コケノコギリ
  • ノコギリダイ属・・・ノコギリダイ
  • フエフキダイ属・・・アマミフエフキ・アミフエフキ・オオフエフキ・ハマフエフキ・等
  •  メイチダイ属・・・オオガメイチダイ・サザナミダイ・メイチダイ・等
  • ヨコシマクロダイ属・・・ヨコシマクロダイ

太平洋西部からインド洋の熱帯域の沿岸の岩礁やさんご礁に生息しています。日本では千葉県以南に生息します。
形は真鯛のようですが嘴が突き出ており、体色は灰褐色で黄色がかった鱗がまだらにあります。
かにやえび、ふじつぼといった甲殻類やひとでやうに、なまこ等の棘皮動物を捕食する肉食性の魚です。 

ハマフエフキの地方名

沖縄では「タマン」、熊本では「タマメ・タバミ」、高知では「クチビ」、タマミとも呼ばれます。

シガテラ毒

食用となるのはここで紹介している「ハマフエフキ」や「イソフエフキ」「メイチダイ」等ですが、「シガテラ毒」という毒素を持ってしまう種類もあります。
この毒素は下記のようなものです。

シガテラ(ciguatera)とは、熱帯の海洋に生息するプランクトンが産生する毒素に汚染された魚介類を摂取することことで発生する食中毒。
引用元: wikipedia.

何年か前に「イシガキダイ」のシガテラ毒により中毒となったニュースが流れたことがありますから、聞いたことがある人もいるかと思います。
症状は下痢や吐き気、腹痛が数日から数週間続いたり、頭痛やめまい、感覚の麻痺といった神経系の症状も出るそうです。特に、温度感覚異常(ドライアイスセンセーション)という凍傷に似た症状が出るのが最大の特徴だと言われます。

この毒を持つ可能性があるのは何もバラフエダイやキツネフエフキ、イシガキダイといったものに限ったことではなく、 カマスやヒラマサ、ブリ、ウツボ等も保有しています。
全世界でその数は400種類以上にのぼるそうです。

ただこれはどの海域の魚でも見られるというわけではなく、インド洋や太平洋等の熱帯域、わが国では主に沖縄地方で多く見られます。
イシガキダイの例では本州の千葉でも確認されています。

 ハマフエフキの漁と釣り方

定置網、刺し網、一本釣りが一般的です。
珍しいものでは「 置き釣り漁」というものがあります。これは大き目の石に針と餌が付いた仕掛けを巻きつけ海底に仕掛けるというものです。
海底で石をぶつけてカチンカチン音を出すと、とこぶしが好きなハマフエフキは人間がとこぶしを採っていると勘違いし寄ってきて仕掛けにかかるそうです。

釣り方は「投げ釣り」「ぶっこみ釣り」が一般的です。
キモとなるとは仕掛けの太さです。引きが強烈ですから針も道糸もハリスも強靭なものを使うようにします。 もちろん仕掛けに合った竿やリールのバランスも重要です。
餌はイソメ類や冷凍きびなご・いわし、小さいカニ、イカの短冊等、地域によって違いはありますが身餌系になります。夜釣りが一般的です。

 ハマフエフキの食べ方・料理

刺身、カルパッチョ、塩焼き、ムニエル、煮付け、ポワレ、 等。

ハマフエフキに含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

ハマフエフキ・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛 
  Kcal(カロリー)  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
 90  20,5  0,3  0,1  80  450  43  250   0,3   0,5
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 8  0,15  0,07  3  微量  47  0  0,2

栄養成分の詳細
ハマフエフキに多く含まれる栄養成分。

 

 

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ハマフエフキの効能

他の魚同様、カリウム・リンが目立ちます。
体の調子を整え生活習慣病の予防に有効です。

ハマフエフキの旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・夏
  • 理想的な保存方法・・・下処理後下ろして冷蔵庫へ
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・生は冷蔵庫で2~3日程度

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