あけび(木通・通草)はアケビ科蔓性落葉低木の一種です。
蔓性落葉低木とは茎を他の樹木に伸ばし成長する植物のうち、ある時期になると葉を落とすもののことです。
秋になると直径5・6cm長さ10cm程度の実を付け、熟すと真ん中が割れますから中身を食べることができます。
中の実は種をぎっしり含んでいますので、甘味だけ吸うようにして種を出します。
もし種を食べてしまっても害にはなることはありません。
実は紫色と白いものがあり、どちらかというと白いもののほうがしっとりした食感があるように思えます。
あけびの別名・地方名
地方によっては「あくび」「あけぶ」「もちあけび」「紫あけび」等と呼ばれます。
あけびの種類
- ミツバアケビ・・・葉が3枚のもの。
- ゴヨウアケビ・・・アケビとミツバアケビの自然雑種。
- 白アケビ・・・実の色が白いもの。
あけびの利用法
蔓は編んで籠や椅子などを作ります。
花が付いている蔓は活け花やフラワーアレンジメント等でも利用されます。
又、乾燥させた蔓は「木通(もくつう)」と呼ばれる漢方薬になります。
効能としては消炎、利尿、排膿、通経、通乳、鎮痛、抗菌作用等があります。
あけびの選び方
皮の色が変色していないもの。
実がしっかり割れているもの(ただし開きすぎているものは中身が乾いていたり千切れているものもある)。
あけびの産地
全国どこでも採れますが、市場への出荷量が多いのは東北地方です。
特に山形県は全国の9割位の生産量があります。
あけびの食べ方・料理
実の部分は生でそのまま食べることができます。
新芽や皮も食べることができます。
皮に肉をつめて焼いたりフライにしたり、切って炒め物や天ぷら等で利用されます。
新芽は和え物や天ぷら等で食べられています。
あけびに含まれる栄養成分
可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一
あけび(果肉)・生
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 |
Kcal | g | g | g | mg | mg | mg | mg | mg | mg |
82 | 0,5 | 0,1 | 22,0 | 微量 | 95 | 11 | 22 | 0,3 | 0,1 |
ビタミンA | ビタミンB1 | ビタミンB2 | 葉酸 | ビタミンC | コレステロール | 食物繊維 | 食塩相当量 |
μg | mg | mg | μg | mg | mg | g | g |
0 | 0,07 | 0,03 | 30 | 65 | 0 | 1,1 | 0 |
あけび(果皮)・生
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 |
Kcal | g | g | g | mg | mg | mg | mg | mg | mg |
34 | 0,3 | 0,3 | 8,6 | 2 | 240 | 18 | 13 | 0,1 | 0,1 |
ビタミンA | ビタミンB1 | ビタミンB2 | 葉酸 | ビタミンC | コレステロール | 食物繊維 | 食塩相当量 |
μg | mg | mg | μg | mg | mg | g | g |
0 | 0,03 | 0,06 | 16 | 9 | 0 | 3,1 | 0 |
栄養成分の詳細
あけびに多く含まれる栄養成分。
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あけびの効能
実には炭水化物がそこそこ含まれています。
炭水化物は糖質ですから主にエネルギーになります。
ビタミンCもかなりの量含まれています。
ビタミンCは、免疫力を高める白血球の働きの強化や、抗ストレスビタミン、メラニン色素の生成の抑制、赤血球の合成などといった働きがあります。
又、強い抗酸化力により過酸化脂質の生成を抑制し、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの予防効果も期待できます。
あけびの旬と保存方法
- 食べると良い時期(旬)・・・秋
- 理想的な保存方法・・・ビニール袋等に入れて冷蔵庫の野菜室へ
- 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・3日前後