あけび

あけび

あけび(木通・通草)はアケビ科蔓性落葉低木の一種です。
蔓性落葉低木とは茎を他の樹木に伸ばし成長する植物のうち、ある時期になると葉を落とすもののことです。

秋になると直径5・6cm長さ10cm程度の実を付け、熟すと真ん中が割れますから中身を食べることができます。
中の実は種をぎっしり含んでいますので、甘味だけ吸うようにして種を出します。
もし種を食べてしまっても害にはなることはありません。
実は紫色と白いものがあり、どちらかというと白いもののほうがしっとりした食感があるように思えます。

あけび

あけびの別名・地方名

地方によっては「あくび」「あけぶ」「もちあけび」「紫あけび」等と呼ばれます。

あけびの種類

  • ミツバアケビ・・・葉が3枚のもの。
  • ゴヨウアケビ・・・アケビとミツバアケビの自然雑種。
  • 白アケビ・・・実の色が白いもの。

あけびの利用法

蔓は編んで籠や椅子などを作ります。
花が付いている蔓は活け花やフラワーアレンジメント等でも利用されます。

又、乾燥させた蔓は「木通(もくつう)」と呼ばれる漢方薬になります。
効能としては消炎、利尿、排膿、通経、通乳、鎮痛、抗菌作用等があります。

あけびの選び方

皮の色が変色していないもの。
実がしっかり割れているもの(ただし開きすぎているものは中身が乾いていたり千切れているものもある)。

あけびの産地

全国どこでも採れますが、市場への出荷量が多いのは東北地方です。
特に山形県は全国の9割位の生産量があります。

あけびの食べ方・料理

実の部分は生でそのまま食べることができます。

新芽や皮も食べることができます。
皮に肉をつめて焼いたりフライにしたり、切って炒め物や天ぷら等で利用されます。
新芽は和え物や天ぷら等で食べられています。

あけびに含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

 あけび(果肉)・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛
 Kcal  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
82 0,5 0,1 22,0 微量 95 11 22 0,3 0,1
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 0  0,07  0,03  30  65  0  1,1  0

 あけび(果皮)・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛
 Kcal  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
34 0,3 0,3 8,6 2 240 18 13 0,1 0,1
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 0  0,03  0,06  16  9  0 3,1  0

栄養成分の詳細
あけびに多く含まれる栄養成分。

 

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あけびの効能

実には炭水化物がそこそこ含まれています。
炭水化物は糖質ですから主にエネルギーになります。

ビタミンCもかなりの量含まれています。
ビタミンCは、免疫力を高める白血球の働きの強化や、抗ストレスビタミン、メラニン色素の生成の抑制、赤血球の合成などといった働きがあります。
又、強い抗酸化力により過酸化脂質の生成を抑制し、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの予防効果も期待できます。

あけびの旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・秋
  • 理想的な保存方法・・・ビニール袋等に入れて冷蔵庫の野菜室へ
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・3日前後

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サラダ菜

サラダ菜

キキョウ目キク科に属し、レタスの結球しないタイプです。
レタスに比べ葉がやわらかいわりに厚みがあります。

レタスは何種類かありますが。結球するものを「クリスプヘッド型」、結球がゆるいものを「バターヘッド型」と呼びます。
バターヘッドは葉がバターを塗ったような光沢があることで呼ばれるそうです。

サラダ菜の産地

サラダ菜の原産は中近東から伝わったレタス。日本では明治時代以降に結球しないものが栽培されるようになり、それが今のサラダ菜だと言われます。

現在生産量が多いのは千葉県、福岡県、静岡県等が挙げられます。
福岡県の久留米市は国内でも有数の生産地です。

サラダ菜の選び方

葉が厚く艶があり緑色が濃いもの。しなびてないもの。葉が大きく破れてないもの。切り口が変色していなもの。

サラダ菜の食べ方・料理

生のままサラダで利用されたためこの名前がついたそうです。
付け合せやサンチェのように肉を巻くのもおすすめです。

他は炒め物、スープ、汁物等でも利用できます。

サラダ菜に含まれる栄養成分

可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一

サラダ菜・生

エネルギー    タンパク質  脂質   炭水化物  ナトリウム   カリウム  カルシウム   リン   鉄   亜鉛
 Kcal  g  g  g  mg  mg  mg  mg  mg  mg
 14  1,7  0,2  2,2  6  410  56  49  2,4  0,2
ビタミンA    ビタミンB1   ビタミンB2  葉酸  ビタミンC   コレステロール  食物繊維  食塩相当量  
 μg  mg  mg  μg  mg  mg  g  g
 180  0,06  0,13  71  14  0  1,8  0

栄養成分の詳細
サラダ菜に多く含まれる栄養成分。

 

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サラダ菜の効能

カリウムが多く含まれていますのでナトリウムの排出をスムーズにし、血圧を下げる作用がありますので高血圧の予防になります。

ビタミン類の中では、ビタミンAが多く含まれています。これは「目のビタミン」ともいわれ、目に必要な「ドブシン」という物質を作るのに重要な働きをしています。
この物質は 暗がりでもわずかな光に反応してこわれ、脳に刺激を与えた後、元の形に再生される物質です。この過程を「暗順応」といいます。

意外に多いにはビタミンC。レタスに比べ3倍近くあります。
ビタミンCは強い抗酸化力により過酸化脂質の生成を抑制し、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの予防効果があります。

サラダ菜の旬と保存方法

  • 食べると良い時期(旬)・・・通年(一年通じてどこかで作られています。
  • 理想的な保存方法・・・水気を切りラップに包み冷蔵庫の野菜室へ。
  • 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・2~3日

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栄養素の正しい摂取量

料理の画像です。

 

適正な栄養素の摂取量をご存知ですか!?

栄養素は不足してはだめですが、過剰に摂取しても良くありません。

摂取エネルギーの適量というのは、それぞれの体格や運動量などにより違ってきます。そのため、自分に合った適量を知らなければなりません。

必要以上にエネルギーを長い間とり続けたり、不足による「やせ」は、やがては生活習慣病の餌食となってしまいます。

 

消費エネルギーの種類

下記の3つを合計したものが1日に消費されるエネルギーです。

健康状態を維持するのであれば、これに見合ったエネルギー量を摂取しなければなりません。

  • 基礎代謝エネルギー
    基礎代謝とは生命維持に必要な活動のエネルギーで、体温の維持や呼吸、血液の循環、消化吸収などがそれにあたります。
  • 活動エネルギー
    仕事や家事、スポーツ 、エクササイズ、勉強などに必要なエネルギーです。かなりの個人差があると思います。
  • 特異動的作用によるエネルギー
    特異的作用とは、食後にエネルギー代謝が高進することをいいます。これは、摂取した脂質やタンパク質、糖質の比率により異なるのですが、通常は摂取したエネルギーの約10%がこれにあたります。

 

栄養素摂取量の指標

  • 推定平均必要量
    特定の集団を対象にして測定された必要量から推定した、性別、年齢別の必要量の平均値。推奨量
    特定の性、年齢に属する人の大部分が、1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量。
  • 目安量
    推定平均必要量・推奨量を算定する場合に十分な科学的根拠を得られない場合、特定の性・年齢に属する人々が良好な栄養状態を維持できる十分な量。
  • 目標量
    生活習慣病の1次予防のため当面目標にする摂取量。
    • 上限量
      特定の性・年齢に属する人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない、ビタミン・ミネラルの摂取量の最大現の量。

 


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成人(30~40代)1日あたりの食事摂取量の例

○は目標量・◎は目安量

μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1グラムの千分の一

栄養素の種類(単位) 上限量
エネルギー(Kcal) 2,650 2,000
炭水化物(%エネルギー) 50~70%未満 50~70%未満
脂質(%エネルギー) 20~25%未満 20~25%未満
タンパク質(g) 60 50
食物繊維(g) 20 17
ビタミンA(μgRE) 750 600 3,000
ビタミンB1(mg) 1,4 1,1
ビタミンB2(mg) 1,6 1,2
ビタミンD(μg) 50
ビタミンE(mg) 男800/女700
ビタミンK(μg) 75 65
ビタミンB6(mg) 1,4 1,2 60
ビタミンB12(μg) 2,4 2,4
ビタミンC(mg) 100 100
ナイアシン(mgNE) 15 12 300(mg)
葉酸(μg) 240 240 1,000
ビオチン(μg) 45 45
パントテン酸(mg)
カルシウム(mg) 600 600 2,300
鉄(mg) 7,5 月経有6,5/月経無10,5 55/40
マグネシウム(mg) 370 280 350
リン(mg) 1,050 900 3,500
カリウム(mg) 2,000 1,600
銅(mg) 0,8 0,7 10
マンガン(mg) 3,5 11
ヨウ素(μg) 150 150 3,000
セレン(μg) 35 25 450/350
亜鉛(mg) 30
クロム(μg) 40 30
モリブデン(μg) 25 20 男320/女250

 

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特定保健用食品について

ムラサキキャベツの画像。

特定保健用食品(トクホ)・栄養機能食品というものがあるのは既にご存知だと思います。

特定保健用食品とは、一般的に「トクホ」と呼ばれています。

従来健康食品と呼ばれるものは、自主的な安全基準にしたがい製造されていました。
そのため品質が十分でないものや、薬と間違えるよな表現をしたり、過剰な広告で売り出すようなあやしいものもありました。・・・今もあると思います。

これでは健康被害にあったり、場合によったら薬事法にひっかかるかも知れません。

そこで厚生労働省は、国民が正しい選択ができるように、科学的根拠があって健康を促進させる特定の機能があると認められる食品には、健康への効用を表示できる制度を設けました。

これが「特定保健用食品」と呼ばれるものです。

厚生労働省のページでは、「からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の用途に資する旨を表示するもの」と表示されています。

特定保健用食品(トクホ)には、上記のように健康維持増進に役立つ成分が含まれています。
体調を整えたいような人や、生活習慣病を予防したいような人は利用してみるのも良いでしょう。

 


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栄養機能食品とは?

さらに、新たな保険機能食品制度が導入されました。従来の特定保健用食品(トクホ)に加え、「栄養機能食品」というカテゴリーです。

栄養機能食品とは、不足しがちな栄養成分の補給を目的にした食品で、一定の条件を満たせば、含まれる栄養素がどんな機能をもつかを表示できます。そして、「注意喚起表示」も義務付けられています。

例えば、「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。〇〇の摂りすぎは、〇〇の吸収を阻害するおそれがありますので、過剰摂取にならないよう注意してください。1日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。」というようにです。

この栄養機能食品も、医薬品と間違えるような表示方法や、誇大広告は禁止されています。

現在では、特定の栄養素(ビタミン・ミネラル)が対象になっていますが、今後その種類は増加していくと思われます。

サプリメントを選ぶ際には参考にすると良いでしょう。

 

特別用途食品

これは、「病者用、乳児用、妊産婦用などの特別の用途に適する旨の表示をする食品」です。

病気や乳幼児、妊産婦、などの人の発育や健康保持・回復のためなど、特別の用途に適するという表示が認められています。

これも国の許可を受ける必要があります。

 

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足りない栄養成分をサプリメントで補う

とまとの画像。

食品では補えない栄養成分もあります。それはどうすればよいのでしょう!?

そんなときは「サプリメント」をおすすめします。

忙しい日々や不規則な日々を送っていると、食生活がおろそかになり、どうしても不足しがちな栄養素がでてしまいます。
そこで、手軽に入手できるということもありサプリメントを利用する人が増加しているようです。

サプリメントとは、本来「補足や追加」というような意味で、日本では「栄養補助食品」になり、食品に分類されます。食品ということは、薬と違い効果効能が表示してないのが原則です。そのため選択の手がかりが少ないのが難点です。

中には、科学的根拠がはっきりしないものや濃度が薄いものもあると言われますから、そのへんは十分な注意が必要ではないかと思います。

 


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サプリメントの活用法

始めに言っておきますが、サプリメントは食事の代わりにはなりません。

勘違いしがちなのは、サプリメントを飲んでいれば健康を維持できると思っていることです。
基本的に必要な栄養素は、毎日の規則正しい食事からとるのが普通です。

そのうえで、不足してると思う栄養素があればサプリメントで補う、という考え方が正解です。

食品に分類されるサプリメントですが、誇大広告ぎみの効果を謳っているものもあり、はっきりいってあやしいような商品も見受けられます。

「保健機能食品」というものがありますが、これにはトクホと呼ばれる「特定保健用食品」と「栄養機能食品」が含まれます。これは国が定めた成分を使用した製品に許可されるものです。

一般的にサプリメントはこれには含まれません。(許可されたものは含まれる)

 

サプリメントは食品です。よって医薬品のように厳密なとりかたは決められていないのが現状です。

では、いつとるのが良いのでしょう?・・・
最も良いとされているのは食後です。それは食後は消化吸収されやすくなるという理由からです。

中には、1日あたりの分量を数回に分けてとるものや、とりすぎると過剰症を引き起こすおそれがあるものあります。

例えば、脂溶性ビタミンは過剰摂取すると、尿とともに排泄される水溶性とは違い体内に蓄積されますから害が生じます。食物繊維もとりすぎは、カルシウムや鉄の吸収を阻害します。

又、薬と併用すると薬の効果が弱まったり、逆に強まったりするものもありますから、 飲み合わせは種類によって医師に相談することも必要です。

そして、賞味期限内にとることも心がけましょう。

 

保健機能食品

保健機能食品には、「特定保健用食品」と「栄養機能食品」があります。特定保険用食品は「トクホ」と呼ばれる個別許可型の商品です。

一方栄養機能食品は、国が定めた栄養成分の規格基準に一つでも適合していれば製造業者や販売業者が自己責任で、栄養成分の表示をしている食品です。

保健機能食品は、栄養成分の表示とともに、保健の効能・効果を表示することが許されています。これは一般の加工食品ではできません。

特別用途食品というものもあります。これは、厚生労働省が認可しているもので、乳幼児や妊産婦、病人の回復や健康保持、などのために特別の用途に適するという表示が認められている食品です。

 

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食品成分の消化と吸収

食品成分の代謝について!!

料理の画像です。

代謝 という言葉は聞きなれていると思いますが、どういうことを指すのかははっきり分からないと思います。

そこで、少し代謝について説明してみましょう。
食べた食品は成分は消化されます。
消化には2段階あり、歯で噛み砕かれた物理的消化と胃などから分泌される消化酵素で消化される科学的消化です。食品成分は栄養活動により人体にとり、必要な成分に変わります。
そしてこの一連の仕組みを「代謝」といいます。

食べる→消化される→吸収される・・・これが「代謝」の仕組みです。

 


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食欲・消化・吸収のしくみ

食べる前に、食欲がわくのですが、これは脳の視床下部にある摂取中枢と満腹中枢によりコントロールされています。例えば、おいしそうな物を見れば、その食品からの様々な情報が視床下部に送られ、おいしという判断が摂食中枢に伝わり食欲が沸きます。その反対に、まずいという判断は満腹中枢に伝達されるので食欲は沸かないことになります。

胃壁が縮んでも食欲はわきます。これは、胃の内容物が腸へ送られると胃壁が縮み、それにより交感神経が反応して摂取中枢を刺激し、空腹感を起こすため食欲が沸くということになります。

又、血糖値が低下しても食欲は沸きます。血糖値とは、血液中のブドウ糖濃度です。この血糖値は物を食べた後上昇するのですが、次第に低下し、やがては空腹時の血糖値(70~110mg/dl)になります。この血糖濃度に、摂取神経が反応すると空腹感が生まれ、食欲が沸くということになります。

次に消化ですが、口と胃では主に物理的な消化を行ないます。食べ物は歯で噛み砕かれ、口内の味蕾(みらい)という味を感じる組織が味成分を感じとり、唾液がでます。唾液はアミラーゼという消化酵素が含まれていますので、これが米などのでんぷんや魚に含まれるグリコーゲン(動物性でんぷん)を分解します。

唾液と混ぜられた物は食道に送られます。食道の蠕動運動で胃に送られ、胃液が出るまでは唾液のアミラーゼが働き、でんぷんの半分程度が分解されます。

胃液が出ると食物と混ざり合い、次第に粥状になります。胃液は塩酸、ペプシノーゲン、粘膜が主成分です。ペプシノーゲンは塩酸の働きでペプシン(消化酵素)になり、タンパク質を分解します。粘液の働きは塩酸から胃壁を守ることです。

 

次は十二指腸での消化ですが、胃の内容物は十二指腸に送られるとき、強酸性の胃液は粘膜で中和されますが、この内容物は少し酸性に傾いています。そのため、その刺激により十二指腸からホルモンが分泌されるのです。

ホルモンは膵臓に働きかけて、膵液を十二指腸に出させ、胆嚢からは胆汁を出させます。

脂質は消化液にはなじみませんので分解されないのですが、胆汁の働きで消化液と混ざり、膵液の消化酵素リパーゼで分解されます。同時に、糖質やタンパク質も膵液の消化酵素でさらに分解されていきます。

 

吸収とは、消化により分解された食べ物の栄養素が、体内に取り込まれることです。腸から体内に取り込まれますが、小腸は十二指腸と空腸、回腸で構成され、その中の「空腸」と「回腸」という部分で栄養素と水分が吸収されます。

この「空腸」と「回腸」という部分の内壁は約1mm程度の絨毛で覆われており、その表面はさらに微絨毛が生えています。この微絨毛の働きにより栄養素や水分を無駄なく吸収しています。

微絨毛の表面は、消化されてきた栄養素を種類別に選び、最小サイズの栄養素にして吸収する酵素が並んでいます。これを「終末消化酵素」といいます。

絨毛の内部には血管とリンパ管が通っています。ブドウ糖やアミノ酸、ミネラル、水溶性ビタミン、等は静脈に溶けて門脈という太い静脈を経て肝臓に送られます。脂質や脂溶性ビタミンはリンパ管から静脈に入り、心臓と動脈を経て肝臓に運ばれます。

 

糖質・脂質・タンパク質の代謝

  • 糖質の代謝(エネルギー生産の仕組み)
    ブドウ糖は肝臓でグリコーゲンになり肝臓に蓄えられたり、血糖になったりして、余りは内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられます。又、エネルギー源になったり、筋肉グリコーゲンとしても蓄えられます。
    運動でエネルギーが必要になると、ブドウ糖はピルビン酸という物質になりその過程でエネルギーが少量発生します。
    ピルビン酸はアセチルCoAという物質になり、オキザロ酢酸という物質に結合されクエン酸に変わります。
    クエン酸は酸素を消費しながら、2酸化炭素と水に分解され、その過程で大量のエネルギーが放出されます。
  • 脂質の代謝
    小腸から吸収されたモノグリセリドと脂肪酸は中性脂肪に戻ります。そしてコレステロールなどと結合してリポタンパク質になります。
    リポタンパク質は4種類あり、中性脂肪やコレステロールを運んだり、よけいなコレステロールを肝臓まで回収します。
    肝臓でもリポタンパク質が合成され血液で体内の各組織に運ばれます。肝臓から出るときはリポタンパク質の多くを中性脂肪で占められます。
    中性脂肪は体脂肪として蓄えられたりエネルギーにも使われます。
  • タンパク質の代謝
    肝臓に送られたアミノ酸の一部はタンパク質に合成され肝臓に蓄えられます。
    他のアミノ酸は各組織に送られ、また新たにタンパク質が作られます。
    常に古いタンパク質が各組織で分解されて新しいタンパク質と入れ替わります。タンパク質はアミノ酸に分解され、多くは又肝臓で新たなタンパク質に生まれ変わります。

 

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食品成分の種類・働き

食品の栄養成分には、その種類によって働きがあります!!

栄養を摂りすぎると肥満になり、不足すると栄養失調や飢餓になることも考えられます。

現に、先進国であるアメリカでは成人の約半数は肥満ぎみといわれますし、子供にもその傾向は広がっているようです。日本も他人事ではなく、15歳以上の肥満人口は2000万人をはるかに超えています。

一方、発展途上国といわれる国々では、深刻な栄養不足がもとで病気になり死んでいく子供たちは、年間880万人にものぼると言われます。

さらに、栄養不足や飢餓で苦しむ人口を見てみると、世界中で8億人を越えています。今や世界の総人口は70億位ですから、その一割強はまともに食事がとれていないということになります。

様々な食品をバランスよく食べることは重要だということは既におわかりいただけたでしようが、そのような食事をすることで、栄養素をバランスよく摂取できるからです。理想的なのは40~50種類の栄養素を摂取することで、これが健康を維持するための必要条件になります。

これが不足しても過剰に摂りすぎても、いずれは健康障害になってしまうのです。

適量でバランスのとれた食生活は、寿命を延ばすだけではなく、飢餓に苦しむ国への援助へもつながりますし、しいては食料自給率を高めることにも貢献するのです。


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 3大栄養素と5大栄養素

食品には栄養素と栄養素以外の有効成分が含まれています。

それはエネルギー源や体の組織をつくる3大栄養素や5大栄養素、そして免疫力を高めたり抗酸化作用などが期待される栄養素以外の有効成分です。

 

3大栄養素とはエネルギー源になる栄養素で下記のようなものです。

    • 糖質(炭水化物)
    • 脂質
    • たんぱく質
炭水化物は糖質と難消化性繊維の総称です。糖質は1g当たり4㌔カロリーのエネルギーを発生させる力を持っています。タンパク質もほぼ同様な力を持っているのですが、これは平常時には細胞やホルモン、免疫抗体、遺伝子などの構成成分として優先的に利用されてしまいます。
脂質には、脂肪とリン脂質、嫌われ者のコレステロールという3つのタイプがあり、脂肪はグリセロールという成分に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が組み合わされたものです。脂肪酸のうち、体内では合成できないアラキドン酸、リノール酸などを必須脂肪酸といいます。
脂質は1g当たり9㌔カロリーのエネルギーを生み出しますので、糖質よりパワーがあるということになります。

5大栄養素とは上記の3大栄養素に、ミネラルとビタミンを加えたもののことをいいます。

ビタミンは13種類あり、炭素、酸素、水素、窒素などを含む有機化合物で、複雑な化学構造を持っているのが特徴です。ミネラルは元素記号で表される物質で、食品成分表では9種類表示されています。

ミネラルやビタミンは微量であっても、生理作用の調整に力を発揮し、代謝・免疫・抗酸化作用の活性化などといった重要な働きをしています。

栄養素以外の成分とは、食物繊維やファイトケミカルのことで、これらは抗酸化作用や免疫力のアップに貢献しています。

 

栄養成分の働き・まとめ

  • 糖質・たんぱく質
    糖質とたんぱく質は1gあたり4㌔カロリー、脂質は9㌔カロリーのエネルギーを生み出します。
    糖質には、単糖類・2糖類・オリゴ糖・多糖類などがあり、中でも単糖類のブドウ糖は脳のエネルギー源として重要です。
    人間の細胞にとりたんぱく質はその主成分で、アミノ酸と結合され、生命維持、体の発育などに重要な働きを果たしています。
  • 脂質
    脂質にはコレステロールや中性脂肪、リン脂質などがあります。
    これらは細胞膜、リポタンパク質、ステロイドホルモン質、ステロイドホルモンの合成材料、そして脂肪性ビタミンの吸収にも必要な栄養素です。
  • ビタミン・ミネラル
    ビタミンは有機化合物で13種類あります。
    ビタミンは3大栄養素の代謝を助けて、細胞の新陳代謝を促進し、生理機能を調整する役目も果たしています。
    ミネラルは無機化合物で、代謝を促進したり生理機能の調節もします。
    さらに、歯や骨などの材料としてヘモグロビンの構成成分としても重要です。

栄養素以外の有効成分の働き

  • 食物繊維
    食物繊維は、排便の促進や有害物質の排除、コレステロールの低減などに役立ち、生活習慣病を予防します。
    さらに、腸内善玉菌を増やし免疫力を高めるという働きもあります。
    それらの効用が見直され、最近では第6の栄養素とも呼ばれます。
  • ファイトケミカル
    ファイトケミカルで代表的なものは、カテキン・カロテノイド・ポリフェノールなどで、種類としては数千あると言われます。
    ファイトケミカルは野菜や果実などに多く含まれ、強力な抗酸化作用で老化や生活習慣病を防ぐと言われます。

 

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栄養成分の正しい知識

野菜の画像です。

栄養成分の正しい知識は食生活の基本です。

ご存知のとおり日本は食料自給率40%と先進国の中ではなり低い国です。原因として考えられるのは、農地面積が狭く後継者が不足していることや、家畜の飼育に必要なとうもろこし、大豆などを輸入に頼らざるをえないこと、等があげられると思います。

しかし食料自給率が低いといっても、ほとんどの物はお金さえ出せば手に入りますし、ないものは無いと言われるくらい豊富な食材が揃っているのが現実です。
これは見方を変えればかなり恵まれた環境だと思うのですが、それほど恵まれた環境であっても、現代人は健康面で大きな問題を抱えているのが現実です。

それは過食であったり、偏った食事、不規則な食事がそれらの原因とされるのです。

ただお腹が空いたからといって、その空腹を満たすためではなく、できる限り体に必要な栄養成分を効果的に接種すればそのようなことのにはならないのです。
偏った食事や不規則な食事を長い間続けていると、体調も悪くなるでしょうし、健康な体を維持できません。

今や朝食を食べなかったり、インスタント食品ばかり食べている人、さらに夕食は外食などで高カロリーをとりすぎているなど、このようなケースは珍しくありませんが、こんな食生活を続けていると、生活習慣病や貧血、低血圧などになってしまいます。

これは、お金がある限り、食べたいものを食べたいときに、食べたいだけ食べているともいえると思います。
言いかえれば、現代人は健康作りに無頓着になっているのではないでしょうか。

食物にはそれぞれ必要な栄養素が含まれています。健康を維持するためには、必要な栄養素をバランスよくとることが何より大切なのです。
もし必要な栄養素が不足すると欠乏症にもなりかねませんし、逆に摂取しすぎると過剰症を引き起こすこともありえるのです。

 


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PFCバランス

PFCのPはタンパク質、Fは脂質、Cは炭水化物です。

総摂取エネルギーに占める、たんぱく質・脂質・炭水化物のエネルギー構成比を「PFC比率」といいます。これにより、栄養摂取のバランスを判定することができます。

適正比率の例としては、18歳以上であれば、タンパク質(P)が13%・脂質(F)が25%・炭水化物(C)が62%となります。

近年の傾向を見ると、脂質の摂取率が25%を超えて30%に近づいてきているといわれます。これは、常日頃耳にする肥満人口の増加から見ても、その数字は納得できると思います。

肥満者の割合を見ても、平成20年頃の国民健康・栄養調査では、20歳以上の男性で約28%、女性が約20%となっており、今もその数値は劇的に変わっていません。

この肥満が生活習慣病の根源ともいえるのです。

太っていると貫禄があり、スーツなどを着れば見ようによっては偉い人のように見えるのですが、今はそういう時代ではないでしょう。肥満の改善は企業をあげて取り組んでいるところもあるのですから。

そして、1日2食という食生活もよくありません。

朝食を抜く食生活は若い世代に多く、これでは1日に必要とされる栄養素を摂取できなくなり力もでません。そのうえ、夜は遅くまでアルコールを飲んで、脂っこいものを食べて帰る。これではバランスのとれた食生活とはかけ離れてしまいます。

このような食生活を続けていると、栄養バランスがくずれて、脂肪の過剰摂となり、肥満や激やせといった体になってしまい、それを長く続けていると結果的に寿命を縮めてしまうことにもなってしまうのです。

 

BMI

BMIは体格指数ともいい、「Body Mass Index」の略で、体重を身長の二乗で割った数値です。

この計算で出た数値が「25」以上あれば肥満です。ちなみに日本人の場合は「22」であれば健康が維持できてると判断してもいい数値です。

一般的には、BMI25以上あれば脂質異常症・高血圧と判断され、27以上あれば糖尿病、29以上もあったときは高コレステロール血症がそれぞれ2倍になります。

これによると、代表的な生活習慣病の30~60%は肥満が原因であるとされます。

ちなみに、日本人の死因の半分以上は生活習慣病がらみです。糖尿病では、その可能性を否定できない人まで含めると2000万人を超えてしまうのです。

要するに、栄養成分に関する正しい知識を身につけ、バランスの良い食生活をおくることが、いかに重要であるかということです。

 

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栄養成分とは?

パプリカの画像です。

栄養成分とはいったいなんなんだろう?・・・と考えたことはありませんか!!
日常生活で何気なく「栄養」という言葉を使っていますが、その言葉を正しく理解している人は少ないかもしれません。
そこで栄養と栄養成分について考えてみましょう。

昔、仙人は「かすみ」を食べて生きていた!?・・・などと言われますが!

人が生きていくためにはそんな訳にはいきません。「かすみ」ではなく、食物を摂取しエネルギーを得なければなりません。

この食物には、栄養素と栄養素以外の成分が含まれています。
そして栄養素は健康な体を作っていくうえで必要不可欠なものです。

ではこの栄養素とは何を指すのでしょうか?
それは、例えば様々な食物に含まれる、たんぱく質やビタミンなどが食品がもつ成分であり栄養素なのです。

当たり前のことですが、食べた食品の個体や液体はそのままの状態で人体の各組織に変わるわけではなく、食べた個体が、筋肉や血液などといった細胞につくりかえられていきます。

ただし、栄養素でも分子量が大きいものはそのままでは吸収されません。
胃や腸で消化・吸収されてエネルギーとして体内で利用されます。

要するに、自然界から摂取した様々な物質を、人体の中で消化・吸収され体内に取り込まれ、分解(異化作用)や合成(同化作用)により、成長や生活活動に必要とされる人体特有の有効成分に変換される、この一連の工程を「栄養」ということになります。

この栄養活動が順調にすすめば、栄養素は効率よく変換されて、エネルギー源になったり体調を整えるなどの働きができるようになります。

栄養素の役割

摂取された栄養素は、体の中で消化・吸収された結果、下記の大きな働きをすることになります。

  1. 必要なエネルギーになる。
  2. 健康な体を作る。
  3. 体調を整える。

エネルギーになるのは多糖類(糖質)、脂肪酸(脂質)、アミノ酸(タンパク質)で、この科学的に複雑な構造の物質を単純な物質に分解する反応によりエネルギーが作られることになります。食品でいえば、穀類や脂肪が多い肉類などです。

筋肉や骨や歯を作るのに必要となる栄養成分は、タンパク質やカルシウムで、食品でいえば、タンパク質が肉や魚、大豆、卵など、カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品、めざしやわかさぎといった小魚などです。

体の各機能を調節する役目を果たすのは、海藻や淡色野菜、果物などに多く含まれる、各種のビタミンやミネラル、ファイトケミカルなどです。

皮膚や粘膜を保護する栄養成分も、各種のミネラルやビタミンで、これは緑黄色野菜に多く含まれます。

 

では、最後に少しだけ詳しくまとめてみましょう。栄養素の働きは下記のようになります。

と、このようになります。

 


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 現代の栄養事情

ご存知の通り、日本は男女共に健康寿命ランキングで世界一の国です。

俗に言う、脂質が多い欧米化の食事の影響からか、糖尿病やガンなどの生活習慣病が増加しているとはいえ、まだまだ他の国に比べれば、栄養事情は良いということなのでしょう。

この最大の原因は、日本型食生活なのだといわれます。栄養バランスがとれた食生活を長きにわたり続くけることで、他の国比べ生活習慣病を減らすことに大きな影響をもたらしているのです。

これは、栄養的に共通点がある「地中海型食生活」やその影響を受けた国にも見られることで、日本同様これらの国は上位にランキングされています。

現代では、高塩分でタンパク質や脂肪、カルシウムが不足していた伝統的な日本食も、洋風化により欠点を改善し、栄養バランスが格段にあがってきています。これを「新日本型食生活」と呼び、世界からも高く評価されているようです。

ただし、あまりに洋風化が進むと、脂質の過剰摂取により、いくら新日本型食生活といえども生活習慣病のリスクが高まることは否めないということになります。

 

 地中海型食生活とは

ちなみに、地中海型食生活とは、パスタやパンを主食とし、魚や野菜、果物をたくさんとるといった、ほとんど日本食に近い食品構成の食事です。優れている点は、パスタやドレッシングにオリーブオイルやにんにく、とまとなどをたくさん使い、コレステロールが多い肉などをあまり摂らない点です。

恐らく、赤ワインも良く消費するようですから、含まれているポリフェノールも好影響を与えているのでしょう。

いずれにしても、これにより、大腸がんのリスクを大きく抑えることが可能になっています。

地中海型食生活を送っている国・地域としては、スペインや南イタリア、フランス、等で、特にスペインの中でも地中海にあるマルタ島では、典型的な例とされるようです。

 

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