カリウム

カリウムの働き・効能

体内に含まれるカリウムの量は体重の約0,2%で、その多くは細胞内に含まれています。

細胞外液に多いナトリウムと作用しながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したりします。

カリウムには、細胞内の酵素反応を調節する働きがあります。エネルギーの代謝を円滑にし、細胞が正常に活動する環境づくりをしています。

カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、尿への排泄を促す働きがあることから、血圧を下げる作用があるとされ、高血圧を予防する効果があると考えられています。

カリウムは細胞内に存在し、ナトリウムは細胞外に存在します。その濃度の差は約30倍に保たれています。

カリウムは血液中にもあり、食塩の摂取が多いと細胞外のナトリウムが増加し、カリウムとのバランスをとるため、血漿(けっしょう)の量が増加して高血圧の原因になりますので、ナトリウムが多いときはカリウムも同時に多めにとらないとバランスがとれなくなってしまいます。

 

過剰摂取と不足

カリウムは摂り過ぎたとしても尿中に排泄されるので、普通の食事では過剰症になることはありません。

ただし、腎機能が低下し尿の機能低下で、尿の排泄が困難になると、高カリウム血症を起こすことがあります。

ナトリウムを過剰摂取してカリウムが不足した場合は、ナトリウムが存在しない細胞にまで増加し、心筋の働きを鈍らせ、不整脈や心不全をおこしやすくします。又、食欲不振や無気力、夏ばてなどもおこしやすくなります。

カリウムは比較的多くの食材に含まれていますが、以外に不足しがちのミネラルです。それは、調理の段階で多くが失われるからです。

さらに、食塩の摂取が多い場合もナトリウムとともに排出されてしまいますし、ストレスや下痢、アルコール、利尿剤の長期飲用、甘いものの食べ過ぎなどでも減らす原因になります。

 

カリウムの上手なとりかた

カリウムは植物性食品から動物性まで多くの食品に含まれています。そして新鮮なものに多く含まれます。

煮るといった調理法では、30%ほど損失しますので、煮汁ごと食べられる料理にすると良いでしょう。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性で2500mg、成人女性は2000mgです。

ナトリウムとカリウムの摂取比率が2以下が望ましいとされます。

 

カリウムを多く含む食材

カリウムは野菜や果実などに多く含まれます。

例えば、刻みコンブ、大豆、アボカド、インゲンまめ、さといも、等です。

 

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リン

リンの働き・効能

リンはカルシウムの次に体内に多く含まれ、体重の約1%位あります。その量の85%程度がカルシウムやマグネシウムと結合して骨や歯の主成分になります。

残りの15%のリンの大部分は、たんぱく質や脂質、糖質などと結合して、細胞膜のリン脂質として、DNAやRNA(遺伝情報物質)などの核酸の構成成分として、あらゆる細胞に存在しています。

又、ATP(アデノシン三リン酸)という高エネルギーを発生する物質の構成成分でもあり、生命活動を支える重要な役割を担っています。

 

過剰摂取と不足

リンを多くとった場合逆にカルシウムの吸収率は低下します。最近ではリンが加工食品などの添加物に多く含まれていますので注意が必要です。

リンとカルシウムの摂取量は1対1が理想ですから、リンの過剰摂取は逆にカルシウム不足を招きます。

過剰摂取したときは、カルシウムの吸収に影響を与えるだけではなく、副甲状腺機能の亢進や骨代謝障害が懸念されます。腎機能の低下をもたらすことも判明していますから、腎臓が悪い人、骨粗鬆症の人は注意が必要です。

リンは不足した場合、骨軟化症や発育不全を起こし新陳代謝が低下し筋肉が弱り疲労感が出てきます。
場合によっては、てんかんを引き起こすことにもなってしまいます。

ただし、通常の食事では不足することはほとんどありません。

 

リンの上手なとりかた

リンとカルシウムの摂取量は1対1が理想です。

リンは多くの加工食品に含まれていますので、加工食品を良く食べる人は積極的にカルシウムの多い食品を摂らなければカルシウム不足になります。

ただでさえカルシウムは日本人にとって不足しがちな栄養素です。

 

カルシウムを多く含む食材

カルシウムは牛乳や乳製品、小魚、野菜、大豆製品などに多く含まれています。たとえば、干しえび、牛乳、生揚げ、水菜、牛乳、チーズ、ヨーグルト、菜の花、モロへイヤなどです。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性で1000mg、成人女性は900mgです。

上限は3000mgです。

 

リンを多く含む食材

リンは牛乳や乳製品、魚、大豆、肉などに多く含まれます。

例えば、わかさぎ、どじょう、ししゃも、いわし丸干し、プロセスチーズ、ヨーグルト、等です。

 

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リチウム

リチウムの働き・効能

リチウムは、自律神経などの機能に関与し、急性躁病の治療や躁うつ病の再発防止に使われます。
又、白血球の増加や血圧を下げる作用、さらに生体リズムを変化させるといった作用もあります。

 

躁うつ病とは

文字通り「躁状態」と「うつ状態」を繰り返す病気です。

躁状態のときは必要以上にテンションが高いようなときで、そのエネルギーを使い果たしてしまったようなときにうつ状態になります。

うつ状態になってしますと、躁状態のときを思い出しそれを後悔して自己嫌悪に陥ったり、人により貧困妄想などが現れ、自殺までしてしまう人もいるようです。

人によりその症状は様々ですが、ストレスが影響しているものと考えられています。

 

過剰摂取と不足

過剰摂取すると、胃腸障害や運動機能失調、精神錯乱などの症状があらわれます。
不足した場合は、生殖に影響がでるといわれます。

 

1日の摂取量・摂取基準

現在のところ確認されていません。

 

リチウムを多く含む食材

いかなご・まいわし・あさり・ごまめ・干しきびなご・・・など

 

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バナジウム

 バナジウムの働き・効能

バナジウムも人の体内に微量ながら存在しています。

バナジウムは、脂質の代謝を促進してコレステロールの生成を抑制する働きがあります。

インスリンと同様の働きがあり、糖尿病予防成分として注目されています。

 

インスリンとは

ペプチドホルモンの一種で、肝臓のランゲルハンス島(膵臓の組織内に島状に散在する内分泌性細胞群)から分泌されます。働きは、血糖値を低下させることです。

インスリンは血糖値の恒常性維持に重要なホルモンである。血糖値を低下させるため、糖尿病の治療にも用いられている。逆にインスリンの分泌は血糖値の上昇に依存する。

引用先:wikipedia-インスリン

 

過剰摂取と不足

バナジウムが不足した場合は、血管にコレステロールが蓄積されやすくなって、心臓発作や動脈硬を引き起こすといったことにもなります。

バナジウムは金属元素ですから、呼吸から長期に渡り過剰摂取すると、胃腸障害や湿疹、皮膚炎、呼吸器系の障害、中枢神経系障害、等、があげられます。

 

1日の摂取量・摂取基準

現在にところ確認されていません。

 

バナジウムを多く含む食材

パセリ、黒コショウ、そば、いわし、さば、豆腐、わかめ、卵・・・など

 

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フッ素

フッ素の働き・効能

必須ミネラル以外にも身体の機能向上などに役立つミネラルはあります。これらはごく少量しか存在しませんので、超微量元素といわれます。フッ素もその一つです。

食品中に含まれるフッ素は胃と小腸上部から吸収され、骨や歯に運ばれ沈着します。

フッ素は腎臓を通り尿中に排泄されます。

体内のフッ素は99%はフッ化カルシウムとして歯や骨などの硬組織に含まれ、歯のエナメル質の形成や骨のミネラル化に役立つと考えられています。

フッ素には殺菌作用があり、歯垢内を殺菌することで虫歯を予防します。

又、歯のエナメル質にとりこまれて、これを強化し酸に溶けにくくします。

 

過剰摂取と不足

フッ素は過剰に摂取すると、歯の表面が点状になりつやを失い、しいては黒ずんできる斑状歯になりますので、摂取量は微量が良いとされます。

又、慢性的にたくさんとると、フッ素中毒症として骨に対しては骨軟化症が起こりやすくなります。

 

1日の摂取量・摂取基準

推奨量などは定められていません。

 

フッ素を多く含む食材

フッ素を含んでいる食品は、魚介類や海藻に多く含まれ、肉類にも含まれます。

緑茶にも含まれます。

 

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モリブデン

豆の画像

モリブデンの働き・効能

体内のモリブデンの量は、成人の場合でも9mg以下ですが、重要な働きをしています。

モリブデンは、肝臓や腎臓にある過酸化酵素に必要不可欠な成分です。体内活動で発生した物質を尿酸という最終老廃物に変えていくために不可欠な酵素の働きをサポートします。

モリブデンの働きとしては、糖質や脂質の代謝を助ける。鉄の利用を高め貧血を予防します。

 

過剰摂取と不足

モリブデンの欠乏症や過剰症になることはありません。

仮にモリブデンを過剰に摂取した場合、銅の排出を増やしますので銅の欠乏症を起こしてしまいますが、通常の食事をしている限り特に問題はないでしょう。

欠乏症としては、貧血や疲労、尿酸代謝障害、不妊などがあるといわれますが、まだ明確なことは解明されてないようです。

癌との関連も指摘されていますが、それも解明されていません。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性25~30μg、成人女性10~25μgです。(授乳婦は+3を付加)

上限は450~600μgです。

 

モリブデンを多く含む食材

銅を含んでいる食品は、種実やレバー、豆類などです。

例えば、そらまめ・きな粉・小麦麦芽・牛レバーなどに多く含まれます。

 

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レバーの画像

 銅の働き・効能

銅は体内に100~150mg程度存在しています。

銅はヘモグロビンと鉄の合成を助けます。
よって、銅が不足した場合も鉄不足と同様に貧血になってしまいます。銅を含む酵素は、コラーゲンの生成に働きますので、骨や血管壁を強くします。

さらに、乳児の成長、骨の血管壁の強化、皮膚の健康維持のためにも重要な働きをしています。

 

過剰摂取と不足

銅による過剰症は、極めて特殊な急性中毒や遺伝的な病気、例えばウィルソン病などを除いてほとんど起こりません。

銅が不足した場合は、貧血や髪がちじれたり色が抜けたりします。さらに、コラーゲンの生成に支障をきたしますので、骨粗鬆症や動脈硬化が起こることもあります。

子供の場合は成長障害を起こすかもしれません。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性0.9mg未満、成人女性0,7mgです。

上限は10mgです。

 

銅を多く含む食材

銅を含んでいる食品は、魚介類やレバー、豆類などです。

例えば、燻製ほたるいか・牛レバー・ゆでしゃこ・カシューナッツ・豚レバーなどに多く含まれます。

 

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マンガン

 マンガンの働き・効能

マンガンは体内に10mg程度存在し、骨の発育に重要な働きをしています。

マンガンは補酵素として、多くの酵素の働きを活発にする作用をもちます。
例えば、骨や関節を丈夫にする結合組織の補酵素になっていることから成長盛りの子供が骨を形成するうえでは重要ですし、タンパク質や糖質、脂質の代謝にかかわる酵素の成分としてスーパーオキシドジスムターゼという物質などの酵素成分としても不可欠です。又、エネルギーの生産にもなくてはならないものです。

 

過剰摂取と不足

日本人の場合は、マンガンの不足は見られないようですが、不足した場合は性ホルモンの合成能力が低下したり、妊娠能力が低下したりします。
逆に大量に摂取した場合は中毒をおこしますので注意が必要です。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性4,0mg未満、成人女性3,5mgです。

 

マンガンを多く含む食材

マンガンを含んでいる食品は、茶葉や種実、穀類、豆類などです。

 

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亜鉛

肉の画像

亜鉛の働き・効能

一般的な成人では、亜鉛は体内に2~4g程度存在し、多くの酵素の成分になっています。

亜鉛とは、100種類以上の酵素に含まれる必須元素で、タンパク質や遺伝情報物質DNAの合成や、糖質、脂質の代謝、インスリンの合成、免疫反応などに関与しています。要するに、新しい細胞を作るとき、この作用を進めるのが亜鉛が成分となる酵素なのです。

口内には、舌を中心に「味蕾」という味を感じる細胞の集合体が存在していますが、この味蕾は、新陳代謝が活発で10~12日のサイクルで新しく作られます。亜鉛はその形成にも不可欠な成分です。

又、最近の研究では脳機能を活性化させ、学習能力の向上に効果があるとされています

 

過剰摂取と不足

亜鉛が不足した場合は様々な影響がでてきます。
例えば、細胞の生成が滞り、皮膚や骨格の発育や維持が遅れたり、ホルモンの活性に影響を与えたり、あるいは傷の回復が遅れたり、脱毛や白い斑点ができたり、など様々な器官に影響がでます。

子供では成長障害を起こしますし、成人では貧血や味覚障害、皮膚炎、うつ状態などが現れ、男性では精子数を現象するなど性機能が低下します。

又、免疫機能が低下し感染症にかかりやすくなります。

亜鉛は特に通常の食生活を送る限り不足することはないのですが、インスタント食品や植物性の食生活に偏ったりした食事、あるいはアルコールの飲みすぎなどは亜鉛不足を招きます。

通常の食事では過剰症を起こすことはありませんが、大量に摂取した場合は急性中毒を起こします。

 

亜鉛の上手なとりかた

植物性食品に多い食物繊維やフィチン酸、加工食品に添加されるポリリン酸などは、亜鉛の吸収を妨げます。そのため、偏った食事はさけましょう。

又、アルコールのとりすぎは亜鉛の排泄量が増加しますから注意が必要です。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性12mg未満、成人女性9mgです。

上限は35~45mgです。

 

亜鉛を多く含む食材

亜鉛を含んでいる食品は、魚介類や肉類、玄米、豆類、野菜、海藻、種実です。

例えば、牡蠣や牛肉、豚レバー、たらばがに、うなぎ蒲焼、ずわいがに、等です。

 

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塩素

塩素の働き・効能

体内の塩素は主に胃液中の塩酸に存在していて、消化酵素のペプシンを活性化させてタンパク質の消化を助けています。

塩素の働きとしては、胃液の中に含まれるものは消化を助けたり、食べ物を殺菌してくれます。又、赤血球にも存在しており、全身から二酸化炭素を回収するときに使われます。

すい臓では、すい液の分泌を促進し消化を助けたり、他の成分とともに細胞外液中に多く存在して、酸・塩基平衡の調整や浸透圧の調整を行います。

塩素はナトリウムと結合した食塩の形で摂取しています。そのため適度な塩分をとっていれば不足するということはまずありません。

又、殺菌作用があるため水道水にも使用されていますので、水道水には微量に含まれます。ここからも摂取していることになります。

 

過剰摂取と不足

塩素が不足した場合は、胃液の酸度が低下して食欲不振や消化不良という説もあるようですが、通常の食生活を送る限りその心配はないでしょう。

過剰にとったとしても、余分なものは排出されますので特に問題はありません。

 

塩素の上手なとりかた

食塩のとりすぎは塩素のとりすぎに結合します。

食事では高塩分にならないよう、適量をこころがけましょう。

 

1日の摂取量・摂取基準

食塩の摂取量を基準にしてください。

食塩相当量は成人男性9,0g未満、成人女性7,5g未満です。

 

塩素を多く含む食材

塩素を含んでいる食品は、食塩です。

 

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