マグネシウム

豆の芽の画像

マグネシウムの働き・効能

マグネシウムは成人では、体内に20~25g含まれ、その60%前後は骨に含まれます。そのため、リンやカルシウムとともに骨を構成する重要な成分となります。

マグネシウムは生体内の300種類以上の酵素の反応に関係しています。
これらの酵素反応を介して、エネルギーの生産、タンパク質の合成、神経伝達、筋肉収縮、体温調節、血圧調節などに関与していますので、マグネシウムは各種の酵素の賦活剤として新陳代謝の調節に不可欠です。

マグネシウムはカルシウムとバランスよくとることで、循環器系の健康を守り、骨や歯を強くします。

 

過剰摂取と不足

通常の食事をしている限り過剰症になることはありませんが、摂りすぎたとしても腸管から吸収量が調節されますので特に問題はありません。

ただし、医薬品として下剤に使われることをみると、過剰にとると下痢になります。

マグネシウムが慢性的に不足すると、循環器系に障害がでて、狭心症や心筋梗塞を起こします。

なお、カルシウムを多くとるほどマグネシウムの排泄量が増えることから、マグネシウムとカルシウムの摂取バランスは1対2が望ましいとされます。

 

マグネシウムの上手なとりかた

マグネシウムは加工していない食品に広く含まれています。それは、精製などにより失われてしまうからです。

効率よくとれる食品としては豆腐です。

豆腐には凝固剤としてにがり(塩化マグネシウム)が使用されており、同時にカルシウムも含むことから吸収率もアップします。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性で340~370mg、成人女性は270~290mgです。

上限はありません。

 

マグネシウムを多く含む食材

マグネシウムは未精製の種実や穀類、海産物などに多く含まれています。たとえば、アーモンドやカシューナッツ、いり落花生、干しひじき、大豆、玄米ごはんなどです。

 

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ナトリウム

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ナトリウムの働き・効能

ナトリウムの体内存在量は、体重の約1,5%で、そのほとんどは細胞外の体液(細胞外液)に含まれます。水分を保持しながら細胞外液や血液循環の量を調節しています。

ナトリウムは主に食塩から摂取し、後に腎臓から排出されたり汗となって出たりします。
ナトリウムは、カリウムとともに細胞内外の物質交換や細胞の浸透圧、水分調節、体液のph、神経の刺激伝達、心筋の弛緩を促すなど多くの働きをしています。

 

過剰摂取と不足

ナトリウムはどうしてもとりすぎの傾向にありますが、目標摂取量としては、成人で1日あたり6g以下が理想とされます。

主に食塩として食事から摂取されますが、とりすぎは細胞内外のミネラルバランスを崩し、むくみなどがでてきます。

通常ではとりすぎたナトリウムは体外へ排出されていくのですが、慢性的にナトリウムを摂取している場合は、高血圧や動脈硬化、胃潰瘍、胃がんなどをまねくおそれがありますので注意が必要です。

ただし、高血圧症は遺伝も関与してるため直接の原因かどうかは不明ですが、まちがいなく悪化はさせます。

 

ナトリウムの上手なとりかた

加工食品には保存性を高めるために食塩が多く含まれています。そのため、加工食品を食べ過ぎると減塩対策にはなりません。

塩やしょうゆのかわりに他の調味料で風味をつけることも大切です。又、しょうゆは「出汁割りじょうゆ」や「酢じょうゆ」がおすすめです。

 

1日の摂取量・摂取基準

食塩相当量は成人男性9,0g未満、成人女性7,5g未満です。

 

ナトリウムを多く含む食材

ナトリウムは調味料や可能食品などに多く含まれています。たとえば、即席中華麺、カップヌードル、いわし丸干し、梅干、さきいか、からし明太子、などです。

 

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カルシウム

どじょう鍋の画像です

カルシウムの働き・効能

カルシウムは人体の2%前後をしめています。
その99%が骨や歯の成分で「貯蔵カルシウム」と呼ばれ、残りは筋肉などにあり「機能カルシウム」と呼ばれます。

骨は絶えず新しいものが作りなおされています。この活発な骨の代謝に関与しているのがカルシウムです。

貯蔵カルシウムは強い骨を作り、機能カルシウムは人体の生命の維持に必要な役割を果たします。カルシウムを貯蔵できるのは35歳前後と言われます。そして骨密度のピークは20歳位と言われますから、それゆえ若い頃からカルシウムをとる必要があります。

体内に存在する残り1%のカルシウムは。血液や筋肉、すべての細胞に分布しています。

血液凝固や筋肉の収縮、神経の興奮抑制作用のほか、細胞内外のカルシウム濃度の差を利用して、細胞の機能調節をしたり、ナトリウムを排泄して血圧上昇を防ぐ働きをしています。

過剰摂取と不足

カルシウムの過剰摂取は、泌尿器系結石を起こします。又、鉄や亜鉛、マグネシウムなどの他のミネラルの吸収を阻害することになります。

カルシウムの不足が慢性的に続くと骨粗鬆症の原因になるといわれます。

成長期では歯の質も悪くなり、あごの骨の発育にも影響をおよびます。筋肉のや血行にも支障をきたし、高血圧や動脈硬化をもおこしかねません。さらに、神経伝達の面でも影響がありますから、不足した場合結果として、肩こりや腰痛、イライラがでたり怒りっぽくなったりします。

カルシウムの上手なとりかた

カルシウムの吸収率は食品により差があります。

牛乳や乳製品は約50%、小魚は約30%、青葉は約18%です。このように牛乳のカルシウムは吸収率が高いうえ、1回の摂取量も多いので、毎日200ml程度摂るのが理想です。カルシウムの吸収は、リンやマグネシウムを1対1対0,5の割合で摂取すると良いとされます。しかし近年の食事ではリンが多く含まれそれがカルシウムの吸収を妨げています。

さらにビタミンDもカルシウムの吸収に重要な役目を果たしますので、できるだけ摂取したほうが良いでしょう。

1日の摂取量・摂取基準

成人男性で650~800mg、成人女性は650mgです。
上限は2,300mgです。

カルシウムを多く含む食材

カルシウムは牛乳や乳製品、小魚、野菜、大豆製品などに多く含まれています。たとえば、干しえび、牛乳、生揚げ、水菜、チーズ、ヨーグルト、菜の花、モロへイヤなどです。

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ビタミンP

ビタミンPの働き・効能

ビタミンPとは、シトリンやルチン、ヘスペリチンなどといったフラボノイド化合物のことです。

ルチンには、ビタミンCとともに毛細血管を強くする働きがあります。そのため、脳卒中などの出血性の疾病の予防に効果的です。又、血圧を下げる作用もありますから、高血圧予防も期待できます。

水溶性ですから水に溶けます。蕎麦に多く含まれますから、汁も摂ると効果的です。

ビタミンPの働きとしては、結合組織のコラーゲンを作るビタミンcの作用を補強し、毛細血管を強く丈夫なものにします。毛細血管が弱い場合は、歯ぐきから血が出やすくなったり、青あざがでやすくなるということが起きてしまいます。

さらに、毛細血管は体内の細胞や組織と栄養や酸素のやりとりをしますから、透過性が必要とされますが、透過性が強すぎた場合は出血や細菌の侵入など良いことはありません。ビタミンpはこの透過性が良くなるのを抑える効果があります。他にも、血圧を下げる作用や、毛細血管を収縮させたりする役割もあります。

 

フラボノイド化合物

フラボノイド化合物には、カテキン、イソフラボン、スペリジン、ルチン、アントシアニン、プロアントシアニジン、ケルセチン(クエルセチン)、リグナン、などの種類があり、これらの総称です。

主な働きとしては、ビタミンCを助け毛細血管を丈夫にする働きです。そのため、不足した場合は出血がしやすくなったり、細菌やウイルスに感染しやすくまります。

又、血圧を下げる働きもありますので、生活習慣病である高血圧や脳内出血なども予防にも有効です。活性酸素を抑える働きもあるようですから、老化防止にも効果があるかもしれません。

フラボノイド化合物が多く含まれる食品としては、柑橘類やさくらんぼ、杏、蕎麦、トマト、などです。みかんの皮には特にたくさん含まれているようです。

 

ビタミンPを多く含む食材

ビタミンPを多く含んでいる食品としては、みかん・レモン・グレープフルーツ・あんず・さくらんぼ・そば、などです。

 

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ビタミンB15

ビタミンB15の働き・効能

パンガミン酸とも呼ばれます。・・・というかこちらが正式名称かもしれません。

ビタミンB15の効能として、一般的に言われているのは、「抗酸化作用」「疲労回復」「免疫力向上」「肝硬変の予防」「解毒作用」「老化防止」「癌や生活習慣病の改善」、等、があげられますが、その根拠を証明するものは示されていないようです。

 

パンガミン酸(Pangamic acid)は、アンズの種子(杏仁)から抽出された物質にErnst T. Krebs親子が付けた名称。かつてはビタミンB15と呼ばれたが、これもErnst T. Krebs親子が付けた名称である。

・・・パンガミン酸はアトピー、関節炎、がんなど様々な疾患、症状の治療に有効であるとされた。しかしその後の研究ではヒトまたはその他の哺乳類の健康に有効であるという説得力のある根拠は示されていない。

引用先:wikipedia-パンガミン酸

 

ちなみに、この「Ernst T. Krebs親子」とは、アミグダリン(レートリル)の抗がん作用を発見して、ビタミンB17と名づけた人たちとのことです。

 

 

ビタミンB15を多く含む食材

ビタミンB15を多く含んでいる食品としては、無精白の穀類・かぼちゃの種・ごま・ビール酵母、などです。

 

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パラアミノ安息香酸

パラアミノ安息香酸の働き・効能

パラアミノ安息香酸はPABAとも呼ばれます。ビタミンBxとも呼ばれたこともあったようですが、現在ではビタミンに分類されていません。

 

PABAはある種の真正細菌に必須の栄養素であり、ビタミンBxと呼ばれたこともあった。しかしヒトにとっては必須栄養素ではないことが明らかとなっており、現在ではビタミンに分類されない。

引用先:wikipedia-パラアミノ安息香酸

 

パラアミノ安息香酸とは、葉酸を構成する成分の一つです。

葉酸は、細胞を作ったり発育を促します。さらに赤血球を作り貧血を予防しますので、葉酸の摂取量を増やしたい人はこの物質を多くとると良いでしょう。

さらに、パラアミノ安息香酸は腸内の有効菌の繁殖を促進しますので、パラアミノ安息香酸を摂取すればビタミンB群を摂取したことにもなります。

皮膚疾患にも有効です。

 

 葉酸の働き

パラアミノ安息香酸は葉酸の構成成分ですから、葉酸についてもうすこし掘り下げてみましょう。

葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の生産に関っています。そのため、「造血のビタミン」とも呼ばれます。

又、たんぱく質や細胞新生に必要な核酸(DNAやRNA)を合成するうえで重要な成分です。葉酸が不足すると、細胞の分裂やDNAの形成が阻害され、胎児や乳幼児に大きな影響を及ぼします。

葉酸の欠乏症では、皮膚炎や口角炎、貧血があげられます。

また、葉酸不足でアミノ酸の一種の血中濃度上昇が続くと、動脈硬化の危険性が高まります。

葉酸の1日摂取基準としては、成人では男女共に240μgです。上限値は1000、妊婦はこれに+200、授乳婦は+100です。

葉酸は、緑の葉野菜に多く含まれます。他にも、レバーや肉、海藻、豆などにも含まれています。

葉酸は日の光に弱いので、野菜などは新鮮なうちに食べるようにします。また、保存するときも冷暗所や冷蔵庫に置くようにしましょう。

 

パラアミノ安息香酸を多く含む食材

パラアミノ安息香酸を多く含んでいる食品としては、レバー・鶏卵・牛乳・玄米・麦芽胚芽、などです

 

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ノイシトール

 ノイシトールの働き・効能

ノイシトールは別名「抗脂肪肝ビタミン」とも呼ばれビタミンBの一種です。

もっとも一般的なものは「ミオイノシトール」で、これはミオイノシトールのミオというのが筋肉を指し、筋肉に多く含まれる成分であることからこの名で呼ばれます。

ノイシトールは、細胞膜を構成するリン脂質の成分として重要な物質です。

特に神経組織の細胞膜に多く含まれています。

ノイシトールの働きとしては、脂肪の流れをスムーズにして肝臓に脂肪がたまらないようにしたり、コレステロールの流れを良くしますから動脈硬化を予防できます。

そのため、脂肪肝や高脂血症の治療薬にも用いられています。

他にも、下記のような効能が認められています。

 

脂肪肝や高脂血症の治療に用いられる。また、セロトニン異常に起因するうつ病、パニック障害、強迫性障害に有効とされる研究結果もある。

引用先:wikipedia-ノイシトール

 

ちなみに、育毛にも効果があるといわれますが、その効能についてははたして信用していいのかは不明です。

 

脂肪肝とは

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪やコレステロールが溜まった状態のことです。

普通の肝臓は脂肪が3~5%含んでしますが、5%を超えると脂肪肝といわれます。

原因として一般的なものは、暴飲暴食、アルコールの過剰摂取、などがあげられます。

放置しておくと、動脈硬化や肝臓癌などといった生活習慣病にかかる恐れがあります。

 

高脂血症とは

高脂血症とは、血液中に含まれる脂質の量が以上に多い状態にことです。

この血液に含まれる脂質には、コレステロールや中性脂肪、リン脂質、等があり、その種類により高脂血症のタイプが変わってきます。

高脂血症になると、血管の内側にコレステロールが蓄積され、その影響で硬くなったり血液の流れが悪くなったりして、動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こす原因になります。

原因となるのは、やはり暴飲暴食や脂質・コレステロールの摂りすぎなどです。

 

ノイシトールを多く含む食材

ノイシトールを多く含んでいる食品としては、オレンジ・すいか・グレープフルーツ・メロン・もも、小麦胚芽などです。

 

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ビタミンU

ビタミンUの働き・効能

ビタミンUは「キャベジン」とも呼ばれ、キャベツから発見されたビタミン様作用物質です。

名称の由来は「潰瘍(Ulcer)」の頭文字「U」からきています。

ビタミンUの働きとしては、胃酸の分泌を抑制し、胃腸粘膜の修復に作用することです。タンパク質の合成に不可欠な核酸を作ります。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、修復するのに多くのタンパク質を必要としますので、このような場合ビタミンUの必要性も高まります。

よってビタミンUが不足すると、胃が弱くなったり、潰瘍の修復が遅れることもあるようです。

 

胃潰瘍とは

胃潰瘍とは、胃の粘膜がただれたり崩れおちる、といった症状が出る病気です。

その原因の多くはストレスからくるものだといわれます。たしかに、神経が削られるような状況にいる人などは、胃潰瘍になる人が多いようです。

ピロリ菌が原因で胃潰瘍になる人もかなりの率を占めます。ピロリ菌とは「ヘリコバクター・ピロリ菌」が正式名称で、胃の壁を傷つける細菌です。日本でも多くの人がこの菌を持っているといわれ、特に50代以降の人に至っては70%位が持っているようです。

ピロリ菌は下水道の普及が遅れている所とか、衛生状況が悪い地域で繁殖しやすいので、中高年以降に多いのは昔飲んでいた井戸水に原因があるともいわれます。

他にも胃潰瘍になる原因としては、刺激物の長期にわたる過剰摂取や、飲酒喫煙、コーヒーの飲みすぎ、強い薬(痛み止めやステロイドなど)の長期服用、過労、睡眠不足、等、があげられます。

胃潰瘍の症状としては、胃痛に始まり、吐き気、体重減少、吐血や下血などを引き起こします。

 

十二指腸潰瘍とは

十二指腸潰瘍も胃潰瘍とほぼ同じ病気です。

違うところは、胃潰瘍はみぞおちから左にかけて痛むことが多く、十二指腸潰瘍はみぞおちから右にかけて痛むことが多いという点です。

 

ビタミンUを多く含む食材

ビタミンUを多く含んでいる食品としては、きゃべつ、アスパラガス、レタス、青海苔、セロリ、などです。

 

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ビタミンB12

ビタミンB12の働き・効能

ビタミンB12はコバルトを含んでいるため「赤いビタミン」とも呼ばれています。

ビタミンB12は、造血作用にかかわるビタミンです。葉酸とともに悪性貧血を防いだり、神経や脳の機能を正常に保つ働きもあります。ビタミンB12は、葉酸と同様に赤血球のヘモグロビンの合成を助けます。

他のビタミンに比べると必要とする量はごくわずかなのですが、補酵素としてさまざまな反応に関与しています。

たんぱく質や核酸の合成、中枢神経の維持、脂肪の代謝において重要な役割をしています。

認知症患者は、脳内ビタミンB12濃度が低いことから、脳が正常に機能するために重要な働きを果たしているのではないかと考えられています。

 

過剰摂取と不足

もし、ビタミンB12が欠乏した場合は、造血が進まずしいては悪性貧血になってしまいます。
悪性貧血とは、赤血球の合成がうまくいかずにおこる貧血で、全身のだるさやめまい、動悸、息切れ、神経過敏などの症状が現れてきます。

ビタミンB12が不足するということはほとんどないのですが、胃を切除した人や、高齢者で萎縮性胃炎がある人、あるいは小腸の吸収不全のある人などは不足しがちですからサプリメントなどで補給すると良いでしょう。

 ビタミンB12は、微生物により合成されるので、植物性食品にはほとんど含まれていません。そのため、厳格なベジタリアンでは欠乏することが考えられます。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人2,4μgです。(妊婦は+0,4、授乳婦は+8を付加)

 

ビタミンB12の上手なとりかた

ビタミンB12は、光や空気により酸化が進行するため、肉や魚を冷凍するときはしっかり密閉するのが有効です。

水溶性ですから、汁ごと食べられる調理法が良いでしょう。

 

ビタミンB2を多く含む食材

魚介、レバー、卵、肉、などに多く含まれます。そこで、ビタミンB12の含有量が多い順に並べてみましたので参考にしてください。

  1.  牛レバー(50g)・・・26,4μg
  2. 鶏レバー(50g)・・・22,2μg
  3. 牡蠣(70g)・・・19,7μg
  4. さんま(150g)・・・18,6μg

 

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ビオチン

ビオチンの働き・効能

ビオチンはビタミンB群の一種です。

ビオチンの働きは、糖質やタンパク質、脂質の代謝を助けてエネルギーに変えます。糖質の代謝では重要な役割を果たしている「ピルビン酸カルボキシラーゼ」の補酵素として働き、たんぱく質や脂質の代謝に深く関与しています。

さらに、アミノ酸の代謝やDNAの成分になる核酸を作る場合も必要とされます。

ビオチンは皮膚炎を予防する物質として発見されたビタミンです。脱毛や白髪、アトピー性皮膚炎、などの改善に有効と考えられています。

ビオチンは多くの食品に含まれますので通常なら不足しませんが、生卵を毎日たくさん食べるような生活をするとビオチンの吸収が阻害されますから気をつけましょう。

 

過剰摂取と不足

ビオチンは、微量ですが多くの種類の食品に含まれています。そして、腸内細菌でも合成されますので欠乏症は起きにくいといわれます。

ただし、抗生物質を長期に服用したようなときは、腸内のバランスが崩れますのでビオチンの含有量が減りますから、通常の食事からしっかり摂るようにしましょう。

極端な偏食者や長期間経管栄養を受けているような人は、皮膚炎や脱毛、食欲不振などの欠乏症が見られます。

又、生の卵白を多量に摂取した場合、含まれているアビジンというたんぱく質がビオチンの吸収を阻害し、欠乏状態を招くことがあります。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人50μgです。(妊婦は+2、授乳婦は+5を付加)

 

ビオチンの上手なとりかた

さまざまな種類の食品に広く含まれていますのでバランスの良い通常の食事を摂っている限り、必要とする量は十分とることはできます。

加熱などによる調理損失もありません。

 

ビオチンを多く含む食材

レバー、魚、肉、豆類、野菜など多くの食品に含まれます。

健康な成人であれば、食事からの摂取量にくわえ、腸内細菌からも作られますから、1日あたりの摂取基準を十分満たすことができます。

 

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