オリゴ糖の働き
オリゴ糖のオリゴは「少し」という意未です。オリゴ糖は、ブドウ糖や果糖などの単糖がいくつか結合したものです。
中には、消化吸収されるものもありますが、人間の消化酵素では分解できない「難消化性オリゴ糖」というものもあります。
この分解されないオリゴ糖「難消化性オリゴ糖」は、大腸でビフィズス菌などの腸内善玉菌の栄養素となり善玉菌を増やすプロバイオティクスとしての機能があり、便秘予防や改善に働き、お腹の調子を整える「特定保健用食品」として認められています。発ガン物質などを生成する悪玉菌を抑制し腸内を健康に保つ効果も期待されます。
そして、腸内細菌により、オリゴ糖からビタミンK・B1・B2・B6・B12・ビオチン・葉酸などが合成されますので、体内のビタミン補給には重要な働きをしていることになります。
難消化性オリゴ糖は、単糖に消化されませんので血糖は増加しません。そのため、血糖値を上げにくい甘味料として利用されています。虫歯の予防にも効果を発揮しているようです。
ただ、オリゴ糖は水分を吸収する力が強いので、摂りすぎは下痢になることがあります。
オリゴ糖の種類
フラクトオリゴ糖
スクロース(庶糖)にフルクトース(果糖)が1~3個結合した難消化性オリゴ糖で、甘さは砂糖の30~60%程度です。自然な甘味で、有効なエネルギーは2㌔カロリー/gです。
腸内有用菌を増加させ、便秘解消、虫歯予防、血糖値抑制、高脂血症の改善などに効果を発揮します。
玉ねぎやバナナなどに多く含まれています。
イソマルトオリゴ糖
みそやしょうゆ、酒などに含まれるオリゴ糖(一部が消化性オリゴ糖)で、熱や酸に強く、防腐作用があるため保存食に適しています。甘味は砂糖の30~55%程度で、甘味にコクがあります。有効エネルギー量は薬㌔カロリー/gです。
腸内の有効菌を増やし便秘解消、免疫力増強、虫歯予防などに効果を発揮します。
ガラクトオリゴ糖
主な成分は乳糖です。ラクトース(乳糖)にガラクトース(脳糖)が結合した難消化性オリゴ糖で、甘味は砂糖の20~25%程度、有効エネルギーは約2㌔カロリー/gです。
母乳に含まれ、乳児が始めて体内に取り入れる天然のオリゴ糖。
働きとしては、便秘解消、虫歯予防、カルシウムの吸収促進などです。
大豆オリゴ糖
大豆に含まれるオリゴ糖類に総称。消化性と難消化性に分類されます。
難消化性には、3種類のラフィノースと4種類のスタキオースがあります。甘味は砂糖の70~75%程度で、有効エネルギーは3㌔カロリー/gです。
腸内環境の改善、虫歯予防、免疫力向上、動脈硬化の予防などに有効です。
マルトオリゴ糖
グルコース(ブドウ糖)が2~7分子直鎖状に結合したオリゴ糖。小腸で消化吸収され、エネルギーとなる消化性のオリゴ糖で血糖値を上昇させます。
でんぷんを酵素で分解して作られ、甘味は砂糖の30%程度のわりには、砂糖に似た甘味があるのが特徴です。そのためか、甘味料や料理の添加剤として利用されています。
パラチロース
はちみつやさとうきびに多く含まれます。スクロースに転移酵素を作用させて結合の仕方を変えた二糖類の一種。
甘味は砂糖の約30%で砂糖に近い甘さがあります。有効なエネルギーは4㌔カロリー/gです。
血糖値を急上昇させないので、糖尿病患者用の甘味料として使用されるほか、虫歯予防の甘味料としても広く使われています。
トレハロース
グルコースが2分子結合した二糖類でマルトースとは違う結合をしています。甘味は砂糖の45%程度で、上品な甘味が特徴です。
虫歯予防効果があり、熱や酸に強く保湿性が高く、たんぱく質やでんぷんを安定に保ちます。
食品の品質保持、医薬品や化粧品などの変質防止に広く利用されています。
ビートオリゴ糖
ガラクトース、グルコース、フルクトースが結合した三糖類。さとうきびや大豆などに多く含まれます。
ビヒィズス菌や乳酸菌を増殖させ腸内環境を整え、便秘の解消に効果を発揮します。
キシロオリゴ糖
竹の子に少しだけ含まれる成分で、大便の水分を理想的な量にととのえる効果があります。
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