各種病気に有効な栄養素

肥満は万病の元

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いくら体に良いからといって、ほとんどの食品は食べすぎるとカロリー過多になり、いずれは肥満になります。

肥満になると、いずれは糖尿病や高血圧症、高脂血症、心筋梗塞、がん、などといった生活習慣病になるリスクが高まります。

肥満になりやすい食生活としては、高カロリーの食品の食べすぎもそうですが、夜遅くに食事をやおやつを食べるというのも良くありません。

夕食は1日に消費された栄養素の補給と、睡眠中に必要なエネルギーを補給する役割がありますが、それは昼に比べそれほど多く消費されません。

それに、夜は心拍数も低下しますから食べたもののエネルギーが蓄積されやすくなります。又、胃もたれや不眠、翌朝の食欲低下にもつながります。

特に脂肪が多いと最悪です。脂肪は夜食の代表的なものであるラーメンやお菓子などにも含まれますので、飲んだ後にしめで食べると美味しいですが、肥満街道まっしぐらです。

又、1日3回規則的な食事は必ず心がけましょう。

それは、人間には生態リズムに合わせて3食とることが健康に大変良いこととと、1日に必要な栄養素は3回食べないと充足しにくいからです。そして、朝食抜きは夜の大食いにもつながりこれも肥満の原因にもなります。

下記に紹介している栄養素は、様々な病気に有効な栄養素や予防するのに効果的なものですが、それはあくまで適量を摂取してのことであり、健康を維持するためには、バランスを考え食べすぎには注意しなければなりません。

 


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各種の病気に有効な栄養素

その他の栄養成分

 その他の栄養成分の役割と特徴

ここでは、他のカテゴリーに属さない栄養成分を紹介しています。

聞き覚えがあるものもあると思いますが、ほとんどのものはあまり聞きなれないものだと思います。

一部は魚介類にも含まれますが、主に野菜や穀類、豆類、きのこ類、肉類などに含まれていて、乳酸菌やビヒィズス菌はヨーグルトなどの乳飲料に含まれています。

その働きはいろいろで、例えば乳酸菌やビヒィズス菌は腸内環境を整える役目や、免疫力を高める効果がありますし、クエン酸は疲労回復効果や自然治癒力を高めるなどの効果があります。

又、生活習慣病の予防効果が期待できるものとしては、フィチン酸、グア二ル酸、クロロフィル、メラノイジン、アンセリン、カルノシン、トコトリエノール、メラトニン、ナットウキナーゼ、ぺルオキシダーゼ、等多くの種類があります.

他には、γ(ガンマ)-アミノ酪酸のように、更年期障害の改善にも有効な成分もありますし、メラトニンのように不眠症に効果があるようなものまであります。

これらは、栄養成分としての効能だけではなく、医薬品としても利用されていますし、洗剤用酵素や化粧品などにも応用されています。

 


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 その他の栄養成分の種類とその働き

乳酸菌
ビフィズス菌
クエン酸 核酸
グリチルリチン酸 シスタチン
リンゴ酸 酒石酸
γ-アミノ酪酸 フィチン酸
IP6 グア二ル酸
酢酸 ウロン酸
クロロフィル エルゴステリン
カフェイン ドーパ
ドーパミン メルカプタン
メラノイジン アンセリン
カルノシン γ-オリザノール
トコトリエノール MTBI
MMSC MMTS
メラトニン プリン体
ムコ多糖-ペプチド複合体 ブロメライン
アスコルビナーゼ ナットウキナーゼ
リゾチーム トリプシン・インヒビター
キモトリプシン・インヒビター ぺルオキシダーゼ
カタラーゼ ジアスターゼ
オキシターゼ パパイン
プロテアーゼ アクチニジン
リパーゼ ジンジベイン

ファイトケミカル働きと種類

ファイトケミカルの特徴

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ファイトケミカルは、植物に含まれる化学物質のことで、ガン予防などの面から注目されている新しい栄養成分です。

ファイトケミカルは、植物が太陽の有害光線や虫から自身を守るために作り出す物質で、野菜や果物などに多く含まれます。・・・ちなみにファイトケミカルの「ファイト」とはギリシャ語で植物で、日本語では「植物由来の抗酸化栄養素」となります。

ファイトケミカルは抗酸化力を発揮して、活性酸素の攻撃から細胞を守り、ガンの予防、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、血管障害などの生活習慣病の予防、老化防止にも効果を発揮します。

活性酸素とは、がんや老化、動脈硬化に深くかかわる酸化反応の元凶で、呼吸で取り込んだ酸素が燃焼する過程で生じます。そのほとんどは、不安定な分子構造を持つ物質(フリーラジカル)で、強い酸化力があります。

 

多く含まれる食品には、野菜や豆腐、海藻、いもなどでこれらの色素や香り、アクなどの成分です。例えば、良く耳するポリフェノールですが、これは植物性の食品に含まれる色素やアクで、動脈硬化の予防に効果があることで知られています。他にも、カロテン類やイオウ化合物、テルペン類、βグルカンなどが認められています。

働きとしては、カロテン類やポリフェノール類が抗酸化作用、テルペン類がガン細胞の抑制、βグルカンは免疫力を高める、イオウ化合物は抗酸化作用と抗血栓作用などです。

 

ファイトケミカルの摂り方ですが、どれか一つの成分を摂るというよりも、様々な成分を組み合わせて摂ったほうが効果的です。それは、サプリメントで1種類だけ摂るより、多種類の食品を組み合わせて摂るようにするということです。

ファイトケミカルは摂取量が少なくとも病気や欠乏症にはなりません。
しかし健康を保つためには必須の成分です。

 


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ファイトケミカルの種類とその働き

 アブラナ科のファイトケミカル  フラボノイド
 カロテノイド  カテキン類
 タンニン類  テルペン類
 リグナン類  ユビキノン
 植物ステロール  ユリ科のファイトケミカル
 硫化アリル  アリシン
 硫化プロピル  サイクロアリシン
 チオスルフィネート  S-メチルシスティンスルホキサイド
 S-メチルシステインホキシド  6-メチルスルフィ二ルヘキシルからし油
 シクロアリイン  ポリフェノールの仲間とファイトケミカル
 カカオマスポリフェノール  アップルフェイン
 ウーロン茶ポリフェノール  エラグ酸
 フェルラ酸  クロロゲン酸
 カフェ酸  パラ-クマル酸
 OPC  ギンコライド
 ポリアミン  ギムネマ酸
 ピクノジェノール  オリーブ葉
 ノニ  プロゼロニン
 ガルシニアカンボジア  桑の葉エキス
 メリロート  バナバ
 ウコン  アスタキサンチン
 クランベリー  ノコギリヤシエキス
 クルクミン  β-カルボリン化合物
 エリオシトリン  ブチルフタリド
 グアシニン  スコルジン
 メチルスルホニルメタン  オクタコサノール
 エリタデニン  キナ酸
 テオブロミン  カプサイシン
 シャンピ二オン  D-グルカレイト
 シネフリン  トリゴネリン
 ククルビタミン  イソフムロン

 

 

食物繊維の働きと種類

食物繊維の特徴

野菜の画像

食物繊維は以前栄養とされていませんでしたが、その後の研究によりその効用が認められ、第6の栄養素と呼ばれます。そして食物繊維は炭水化物に分類されますが、糖質と違い消化されません。

食物繊維の定義としては「人の消化酵素で消化されない食事中の難消化成分の総体」とされています。食物繊維は多くの種類がありますが、大別すれば、水に溶ける「水溶性」と溶けない「不溶性」があります。

水溶性食物繊維の主な働きは、胆汁酸を吸着し排出しますので、結果的にコレステロールの低減に役立ちますから、脂質異常症や糖尿病の予防効果が期待されます。ナトリウムの排泄もすることから高血圧にも有効です。

又、乳酸菌などの有益菌を増やして腸内環境を改善する効果もあります。
不溶性食物繊維の働きとしては、腸の働きを刺激して、腸内に発生した有害物質の排出を促す作用があります。そのため、排便をスムーズにし痔や便秘の改善、などといった効果が期待できます。

このように大切な役目をしている食物繊維ですが、とりすぎはよくありません。通常の食生活では過剰摂取の心配はありませんが、サプリメントなどで多量に摂ると下痢をおこすことがあります。

又、摂りすぎは鉄やカルシウム、亜鉛などの吸収を妨げ、ミネラル不足に陥る心配があります。

では不足したらどうなるかというと、便秘や痔になります。さらに、腸内で発生した有害物質が長く留まることで腸内環境が悪化して、発ガンの危険性が高まります。

食物繊維は、きのこや海藻、野菜などに多く含まれますので、様々な料理にして摂るようにしましょう。又ごはんは押し麦や玄米入りに、パンはライ麦入りパンなどにすることで効果的に摂取できます。このように、食物繊維は性質により働きが異なりますから多くの食品からバランスよく摂るのが効果的です。

 

ちなみに、食物繊維の摂取量は生活習慣病を予防するためには、成人男性であれば1日に19g以上、成人女性は17g以上が摂取基準になります。

食物繊維が多く含まれている食品としては、野菜ではごぼう・かぼちゃ、ゆでた竹の子、菜の花などで、果実は干し柿、りんご、豆類ではインゲン豆や押し麦、他はイモ類や海藻です。

 


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 食物繊維の種類とその働き

 

セルロース へミセルロース
グルカン アルギン酸
ペクチン リグニン
ムチン フコイダン
水溶性ペクチン リグナン – セサミン
マンナン 水溶性アルギン酸
キチン・キトサン ポリデキストロース
コンドロイチン硫酸

ミネラルの働きと種類

 ミネラルの特徴

パプリカの画像

ミネラルは体を構成する元素のうち酸素、炭素、水素、窒素以外の元素のことです。

栄養素として必要不可欠なものを「必須ミネラル」といいます。これは、現在16種類が知られていますが、「日本人の食事摂取基準」では13種類が照会されています。

ミネラルの多くは、小腸で吸収されるのですが、亜鉛の一部は胃、ナトリウムの一部は大腸で吸収されます。又、カルシウムの吸収率は小腸にビタミンDや乳糖、タンパク質などあると増加します。鉄はビタミンCがあると吸収率が増加します。吸収後は肝臓に送られ、血液で各組織に運ばれ利用され、毎日尿や汗により排泄されます。

ミネラルは骨や歯の構成成分として重要ですし、有機物と結合して体の組織をつくるのに必要不可欠な栄養素です。さらにミネラルは、体の調節機能に働き、体の潤滑油としても重要な役割を持ちます。

骨や歯には「リン酸カルシウム」、「リン酸マグネシウム」として存在し、堅さや強さ、耐性などを与えています。筋肉内になるのは約10%程度で、たんぱく質と結合されています。

そして、約1%はエネルギーの元であるATP(アデノシン三リン酸といい、エネルギーを大量に含む物質)にリン酸として、細胞膜にリン脂質として、又酵素や補酵素の材料などとして存在しています。

又、ミネラルの中には、血液中や体液中で電気を帯びてイオンになるものもあります。

細胞内外のイオン濃度のバランスは一定に保たれているのですが、体がなんらかの刺激を受けると一時的に変化します。それは脳に伝わり、脳が変化に対応する適切な指令を出すことで、イオン濃度は元に戻ります。

これは、ミネラルが体のバランスを保つ源となっているということです。

ミネラルは体内で合成できませんので、食物から摂取しなければなりません。
もし、摂取量が不足するようなことになれば、様々な不調が現れたり、鉄欠乏症貧血やヨウ素不足による甲状腺などの欠乏症を起こし様々な病気の引き金にもなってしまいます。

しかし、過剰摂取すると過剰症を引き起こします。
例えば、鉄や亜鉛、マンガン、銅などは必要量のわずか数倍で中毒症を招きますし、ナトリウムの過剰摂取は高血圧などの原因にもあります。

そしてミネラルは、他のミネラルとのバランスが重要です。
特定のミネラルのみを摂取するとかえって害になりますので注意が必要です。

 


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ミネラルの種類とその働き

カルシウム リン
マグネシウム
ナトリウム カリウム
塩素 セレン
亜鉛 ヨウ素(ヨード)
マンガン イオウ
クロム
モリブデン コバルト
フッ素 ケイ素(シリコン)
バナジウム ニッケル
リチウム ゲルマニウム

脂質・脂肪酸の働きと種類

脂質・脂肪酸の特徴

基本的に油には、眼に見える油(ラード・バター・食用油など)と、眼に見えない油(野菜・穀類・肉類・魚介類・菓子・乳類などに含まれる油)があります。これらを脂質といいます。

脂質は、水に溶けずにエーテルやクロロホルムなどといった有機溶媒に溶けるという性質を持っています。

脂質は、細胞膜や核酸、神経組織などの構成成分として重要な役目を果たしています。また、1gあたり9㌔カロリーものエネルギーを生み出しますし、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きもしています。

ただし、過剰摂取すると、エネルギー過多につながり肥満を引き起こします。さらに、総摂取エネルギーのうち脂肪エネルギー比率が30%を超える食習慣では、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を引き起こしやすくなるといわれます。又、高脂肪の食生活を継続していると大腸がんや前立腺がん、乳がんになりやすくなります。

不足したときは、エネルギー不足におちいるほか、血管や細胞膜がひ弱になり、脳出血の可能性が高まります。

 

脂質は、化学構造の違いから、「単純脂質」、「複合脂質」、「誘導脂質」に分類されます。そして、その特徴は下記のようなものになります。

単純脂質

「中性脂肪」や「ろう」があり、脂肪酸とアルコールが結合したものです。中性脂肪は通常「脂肪」と呼ばれ、貯蔵脂質として皮下や腹腔などに蓄えられ、必要に応じてエネルギー源になります。又、体温保持や臓器の保護といった役目もしています。

複合脂質

リン脂質と糖脂質があり、単純脂質の一部に他の成分が結合した構造をしているのが特徴です。役割は、たんぱく質と結合して細胞膜を形成するなどです。

誘導脂質

ステロール類があります。ほとんどはコレステロールで、細胞膜の構成成分として体内に広く分布しています。

 


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脂肪酸

脂肪酸は脂質の主な構成成分です。
脂肪酸は約40種類があり、それぞれの脂肪酸がどんな割合で含まれるかで、その油の働きや栄養価が異なります。

脂肪酸は、炭素、水素、酸素から構成されていて、その構造の違いから「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に分けられます。不飽和脂肪酸は結合の違いにより「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分かれます。

不飽和脂肪は善玉の脂肪で、不飽和脂肪酸は主にコレステロールを下げる働きがあります。
飽和脂肪酸とは、融点が低く、血中のコレステロール値を上げたり、蓄積しやすいという欠点を持っています。

又、成長や健康維持に不可欠な脂肪酸のうち、体内で合成されない脂肪酸を「必須脂肪酸」といいます。多価不飽和脂肪酸のリノール酸やアラキドン酸等がこれにあたり、食物から摂取しなければなりません。

必須脂肪酸が不足すると、皮膚に異常が出たり、感染症にかかりやすくなります。又、コレステロールの血管への沈着、脂質異常症の抑制に効果を発揮しているといわれますので、適量にとることが必要です。

 

 

脂質・脂肪酸の種類とその働き

飽和脂肪酸 オレイン酸
アラキドン酸 α-リノレン酸
リノール酸 γ-リノレン酸
EPA(エイコサペンタエン酸) DHA(ドコサヘキサエン酸)
コレステロール スクワレン

ビタミンの働きと種類

ビタミンの特徴と働き

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ビタミンの働きとしては、三大栄養素と呼ばれる糖質・タンパク質・脂質が十分に力を発揮できるように潤滑油としての役目です。・・・ちなみにミネラルも同様の役目を果たします。

又、血管や粘膜、骨、皮膚などの健康を保ち、新陳代謝を促す働きにも関与しています。

ビタミンの摂取量としては微量であっても重要な役目を果たしますが、欠乏した場合は様々な欠乏症を引き起こします。しかも深刻な欠乏症になるまでは中々気が付かないからやっかいです。

 

ビタミンには13種類があります。
大別すると、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」とに分かれます。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンは水に溶けやすく、油脂には解けにくい性質をもつもので、種類はビタミンB群とビタミンCです。これは、過剰に摂取したとしても体内に蓄積されませんので、毎食食べ物から一定量を摂る必要があります。

ビタミンB群の働きは、酵素の手助けをすることです。酵素の中にはビタミンB群と結合することで活性化するものもあるのです。ビタミンCは酸化型と還元型という2つが体内に存在し、酸化型になりやすい性質があります。この性質は他の物を還元する力になります。

摂取するときの注意としては、過剰な水洗いや長時間の過熱を避ける必要があり、脂溶性ビタミンととれば体内に吸収されやすくなります。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは、水に溶けにくくアルコールや油脂に溶ける性質を持つビタミンです。種類は、ビタミンA・D・E・Kがこれにあたります。

ビタミンAは肝臓で脂肪酸と結合して貯蔵され、必要な分だけタンパク質と結合して体内に運ばれ、細胞に取り込まれ、成長促進や粘膜維持に重要な働きをしています。

ビタミンDは、リポタンパク質により各組織に運ばれ、細胞膜の酸化を防いでくれます。ビタミンKは、大腸で腸内細菌からも作られ、血液凝固などに関与しています。

脂溶性ビタミンは、肝臓に蓄積されますので、摂取しすぎると、頭痛や吐き気などの症状を引き起こす恐れがあります。そのため、サプリメントなどで大量に摂る場合は注意が必要です。
尚、ビタミンの1日の摂取量としての例としては、栄養素の正しい摂取量をご覧ください。

 


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ビタミンの種類とその働き

 

ビタミンA ビタミンD
ビタミンE ビタミンK
ビタミンB1 ビタミンB2
ビタミンB6 ナイアシン(ニコチン酸)
パントテン酸 ビオチン
葉酸 ビタミンB12
ビタミンC

 

主なビタミン様作用物質とその働き

ビタミン様作用物質とは、正式にビタミンに認められていない物質です。
今後の研究次第では、効果効能が期待できる物質かもしれません。

ビタミンQ ビタミンU
コリン ノイシトール
ルチン バラアミノ安息香酸
ビタミンB13 ビタミンB15
ビタミンB17 ビタミンP

たんぱく質の働きと種類

たんぱく質の特徴

 

タンパク質は人体の構成部分として必要不可欠な成分で、英語では「プロテイン」とも呼ばれます。
タンパク質は、体を作っていくうえで必要な栄養素ですが、他にも酵素や、免疫抗体、血液成分、遺伝子、神経伝達物質、エネルギーなどにも利用されます。

タンパク質が不足してしまうと、体力がなくなったり、病気に対する抵抗力も低下するなど、さらに脳の働きも鈍り記憶力や思考力が減退してしまい成長期の子供では発育障害にもなりかねません。そして、もしこれが長期に不足すると生命の維持にも影響してしてしまいます。

ただし過剰に摂取した場合は尿へ排出されます。そのため、腎臓に負担をかけることになりますので、腎臓障害につながることもあります。そして、尿中カルシウム排泄量も増加しますので、骨粗しょう症にもつながりますから注意が必要です。

 

必須アミノ酸

タンパク質とはアミノ酸が多数結合した高分子化合物で、炭素や窒素、水素、酸素、イオウを含みます。

アミノ酸の種類や配列順序などにより、タンパク質の性質や形状、働きが異なります。人間の体は10万種類にも及ぶタンパク質で構成されていますが、これらは20種類のアミノ酸で作られているのです。

この20種類のアミノ酸が含有量を変えて結合され性質の異なる無数の種類のタンパク質が作られます。タンパク質はアミノ酸で構成される単純タンパク質と、アミノ酸以外の成分も含む複合タンパク質に分類されます。

必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)とは、体内で合成されず食品から摂取するアミノ酸で、他は非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)と呼びます。

 

良質のタンパク質

良質のタンパク質とは、体のタンパク質のアミノ酸構成に近いものほど、体のタンパク質を合成する上で良質とされます。

良質なタンパク質を見分ける方法としては、必須アミノ酸の量を想定して食品の必須アミノ酸の構成と比較する方法があります。これで出された数値を「アミノ酸スコア」と呼ばれ、数値が100に近いものが良質です。この方法で食品を判断してみると、「肉・魚・牛乳・卵」などに含まれるタンパク質は良質とされます。

 


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たんぱく質の種類とその働き

◎は必須アミノ酸です。

グルタミン酸 トリプトファン
アルギニン アスパラギン酸
ロイシン イソロイシン
リジン フェ二ルアラニン
シスチン チロシン
メチオニン スレオニン
バリン ヒスチジン
グリシン VAAM(アミノ酸混合栄養液)
コラーゲン タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)
カゼイン CPP(カゼインホスホペプチド)
エリスロポエチン メラニン
ラミニン ラクトフェリン
グルタチオン レクチン
カルニチン

糖質の働きと種類

糖質の代謝と働き

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糖質は「単糖類」、「少糖類」、「多糖類」に分類されます。

単糖類には「ブドウ糖」、「果糖」、「ガラクトース(脳糖)」があり、少糖類は「ショ糖」、「オリゴ糖」、「乳糖」など、多糖類では「でんぷん」や「グリコーゲン」などがあります。これらは糖質の結合数によって分類されたもので、体内での働きはそれぞれ異なります。

体内に吸収された糖質が、体に必要なエネルギーに変わるプロセスを「糖質の代謝」といいます。

まず糖質は体内でブドウ糖になりますが、これは植物の光合成により二酸化炭素と水から太陽の光を結合のエネルギーにして作られたものです。

穀類やイモ類はこのブドウ糖をでんぷんに変え成分に蓄えます。それを人間が食べてエネルギーにしています。

人間が摂取したでんぷんは体内でブドウ糖に分解され、小腸から吸収され肝臓に送られますが、一部は血液中に入り(血糖)、組織のエネルギー源になったり、筋肉グリコーゲンとして蓄えられることになります。

又、一部のブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられますが、肝臓での貯蔵量を上回る量は内臓脂肪や皮下脂肪になります。

糖質の代謝には二通りあります。それは酸素を使う代謝と使わない代謝です。

ブドウ糖は酵素の働きによりピルビン酸になるのですが、その過程で微量のエネルギーが発生します。この酸素を使わない代謝を「解糖」といいます。これは、運動後の酸素が不足しているときなどに使われるエネルギーです。

又ピルビン酸は、さらに酵素によりアセチルCoという物質に変化し、TCA回路に入ります。ここで作られた物質がクエン酸ですが、これは呼吸により取り入れられた酸素と反応することで水と大量のエネルギーが発生します。

このエネルギーは生命を維持するための重要な活動源になります。

糖質は脳や神経系、赤血球、筋肉などが活動する場合のエネルギー源で、不足してしまうと血糖値が下がり機能が低下します。糖質をとる量としては1日100g以上は必要です。

しかし、過剰摂取すれば体脂肪として蓄積され、しいては生活習慣病の原因にもなりますから注意が必要です。
特に砂糖や果実に含まれる糖質は脂肪に変わりやすいので、できれば穀類やイモ類からとるほうが、糖尿病の予防には効果的です。

 


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糖質の種類とその働き